これからの教育現場 ジェンダー平等実現を
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 これまで本欄で、本県の公立高校男女別学の問題を中心に述べてきました。その中で、「多様性を認めると言うならば、男女別学という選択肢を認めることも大切ではないか」「一つの価値観を押し付けないでほしい」というご意見をいただくこともありました。

 「多様性」という言葉は時に難しいものです。社会的に認められなかったり、他者の権利を阻害するような考えや行動だったりしても、「それは自分の自由だ。多様性を認めて」という理屈に変わってしまうことがあります。金子みすゞの「みんな違って、みんないい」が、時には「だからどんなことでもOK」に変わってしまうのです。

 価値観も多様化する社会の中で、私たちは公立高校の男女別学という制度が社会的に公正なのかということを訴えてきました。公正でない制度を認めることは、決して多様性を認めることにはつながりません。「公正でない制度を選択肢の一つにしてはいけない」というのが当会の主張です。

 新聞報道によると、都立高校の男女別定員も段階的に見直されることが決まりました。これは、同じ学校なのに男女で合格ラインが違うという状況、つまり「性別によって進学の機会が変わる制度」に対して多くの人が疑問を感じた結果でしょう。現在の本県も「性別によって受験資格が制限される制度」が存在していますが、この状況について県民の皆さんがどのように考えるか、問われていると思います。

 当会が発足して20年以上が経過します。この間、男女別学校が多く残されていた福島県と宮城県も2000年代には県立高校全校男女共学化を実現させています。現在、全国の公立高校の98.6%が共学校です(当会調べ)。本県も一部の男女別学校が共学化されていますが、それはジェンダー平等の理念に基づいて共学化しているのではなく、少子化に伴う統合の一つでしかありません。

 本県は山本一太知事が就任してから新しい風が吹いているように感じます。特にジェンダー平等の観点からみると、県職員の部長級の女性割合は全国の都道府県で1位ですし、都道府県としては全国で3番目にパートナーシップ宣誓制度を導入しています。そのような本県が、公然と「男女」で公立高校の受験資格を制限し、その一方で、「願書の性別欄は廃止」とすることに矛盾を感じざるを得ません。

 1年にわたる寄稿も今回で最終回となりました。多くの反響をいただき、大変感謝しています。これからの未来を担う子どもたちにとって教育は非常に重要です。その教育がジェンダー平等となり、より充実したものとなるよう願っています。



ぐんま公立高校男女共学を実現する会代表 坂本祐子 高崎市飯玉町

 【略歴】2018年、別学校出身者(太田女子高卒)として初の同会代表に就任。群馬パース大などで非常勤講師を務め、専門は家族社会学。高崎経済大大学院修了。

2021/10/14掲載

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