移住者の受け入れ 官民一体で地域に活気
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 朝起きて、リクガメと文鳥の世話をする。せわしなく玄関を出ると、西南西には榛名山、東北東には赤城山がいつも通りすがすがしく鎮座している。晴れた日の群馬の景色はとても気持ちがいい。それは自宅から職場へのわずかな通勤時間でも十分感じ取れる。出身地である東京で暮らしていた時には感じられなかった感覚だ。思わず「そうだいねー」とつぶやいた読者も少なくないだろう。

 渋川に移住して2年が過ぎた。生活に慣れ、景色を楽しむ余裕が出てきたのかもしれない。今回は移住者である私の近況報告的なことを書こうと思う。移住者はこんなことを考え、こんな暮らしをしている、と少しでも知ってもらえるといい。

 まず、こけし作りを学ぶ身として、この2年間さまざまなものを試作してきた。こけしはもとより、木工ろくろの技術を応用した照明器具や文房具、アクセサリーなどだ。次のステップとしては、いろいろな方に作品を見てもらい率直な意見を聞くのが順当だろう。そこで、直接意見を聞くことのできるクラフトイベントや展示会などへの出展を考えていたのだが、新型コロナウイルス感染症の影響で軒並み中止となり、なかなか実現できずにいた。

 しかし、ようやくグループでの展示会に参加させていただけることになった。「ぐんまものづくりの集い」という、県内のものづくりに関する作家12人が集う展示会で、見応えのあるものになるはずだ。前橋市三河町の市芸術文化れんが蔵で26日から31日まで開催するので、皆さまから直接作品への感想をいただけたら幸いである。

 ところで、協力隊の任期は残り1年となり、片付いていない問題がある。住居兼工房として探している空き家が見つからないのだ。

 今の住まいはアパートの2階で、機械を使った木工作業は難しい。任期中は渋川駅前プラザの一室を作業場として使わせてもらえるが、あまり時間が残されていない。市の担当者にも協力してもらっているものの、なかなか見つからない。これは、空き家はたくさんあるが貸さずに放置されているという、空き家問題の課題の一つだろう。

 行政だけでなく、地域住民が移住者を積極的に受け入れる体制でなければ、人は減っていく一方だと感じる。逆に言えば、地域住民が積極的に移住者を受け入れれば、地域は活気づく気がしてならない。

 空き家問題だけでなく、愛する地元の未来を改めて思案してみてはどうだろう。

 最後に、私に空き家を紹介してくれる方がいましたら、担当部署の渋川市商工振興課を通じて連絡していただけるとありがたい限りです。



渋川市地域おこし協力隊員(創作こけし技術習得・継承) 大野雄哉 渋川市

 【略歴】専門学校を出てからエレキギターメーカーに勤務後、2019年9月から地域おこし協力隊員として活動。作品をインターネットで販売している。東京都出身。

2021/10/25掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事