地域おこし協力隊 定住への仕掛け探って
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 私が利用している「地域おこし協力隊」は「都市から過疎地域に住民票を移動した隊員が地域活動をしながら地域への定住・定着を図る」という総務省の制度だ。本年度は全国で5千人、群馬県内でも19の自治体で約70人が活動している。過疎地域への若者移住を後押しする仕組みとして注目されているが、開始から数年たち取り組みの結果が分かれているようだ。

 成否判断の要素はいろいろあるが、制度上「任期後も定住したか否か」が大きな指標になるだろう。直近の調査では、約6割が同じ地域に定住したという。「田舎で起業」のイメージがあるかもしれないが、実際は任期後に起業した人は全体の2割弱で、地域で就業した人が多い。起業はマスコミに取り上げられやすいため、実情とイメージの差があるようだ。給与が3年間出るので、会社員が移住に踏み切るのを後押ししているという要因もあるように思う。

 受け入れ主体は主に地域の行政だが、個人的な体感としては「任期後の定住」を目標とした場合、地方行政の性質とは相性が悪い。前例のないことはやらない、売り上げが上がるのはNGという意識が強いと感じるからだ。行政に悪意はなくとも結果として、地元負担なしの国の予算かつ、年収200万円前後という地元の一般的な公務員より安い給料で、「本質的な変化は望んでいないが、はやりの取り組みでやってるっぽい感じを出したい」という自治体に3年で使い捨てられる可能性を秘めている。

 しかし、うまく活用した場合、過疎地域に若者を呼び込める貴重な制度ではあるので、ぜひ行政だけで抱え込まず民間との連携を図ってほしい。例えば、実際に地域に来てみると、人を雇用したいが募集を出しても集まらない会社や、時期により人手の足りない仕事、需要はあるが経営者が高齢で後継者がいないなどの状況がある。

 地域内インターンのような制度を作り、隊員は数カ月ごとにいくつかの仕事を経験しつつ、外部からの目線で必要があれば新しい提案をしたり、事業者とのマッチングをしたりする。互いの希望が合えば、任期後はそのうちのどこかに就業することもできるだろう。協力隊の任期をお見合い期間のように使うのだ。

 短期の若者に仕事を教えるのが面倒だとか、会社の中を見られたくないという事業者もいるだろう。しかし、うまく使えば地域に埋もれる優良な事業者を継続させる仕組みになるのではないだろうか。

 私は協力隊の制度があったからこそ群馬とご縁ができ、いろいろな方に出会い、今後も住み続けていきたいと思っている。そんな若者がより増えて群馬を盛り上げられるように、協力隊制度がより活用されることを期待している。



片品村地域おこし協力隊 本間優美 片品村鎌田

 【略歴】大手通信会社を経て2014年12月に片品村に移住。村の情報サイト制作や獣の革の利活用に取り組む。第1種狩猟免許所持。東京都出身。国際基督教大卒。

2018/02/16掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事