高校中退者支援事業 寄り添い「次へ」橋渡し
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 私はカウンセラー養成時代に学んだカウンセリング、心理学から、支援者(カウンセラー)としてだけではなく、自分自身の「生き方」に大きく影響を受けました。2001年より、当時の前橋市ボランティアセンターの指導主事、酒井雅彦さんの応援をいただきながら、「生活に活(い)かせるカウンセリング入門講座」を主宰し、市民の方々とともに学んできました。

 そのなかで、多くの方が自分自身の生活において、これまで気づくことができなかった視点や捉え方を経験しました。そして、学ぶことで得られた知識と自分自身への気づきを、支援者として生かすことが、今日のカウンセリング&コミュニケション・ミュー(CCM)の支援観となっています。

 CCMは17年度、群馬県子育て青少年課、群馬県子ども・若者協議会の事業である「高校中退者支援事業」におけるアウトリーチ支援の部分を担うことになりました。この事業は、何らかの事情から高校中退を選択し、その後の生き方を模索している青年を対象としています。そして、彼らのその後の人生の歩み方をサポートするものです。

 生徒を辞めた青年のなかには、新たな人生行路の選択へのモチベーションを失い、自分で自分をどうしたら良いのか分からず迷い、また自己肯定感を奪われ苦しんでいる人がいます。高校を中退するということは、中学校における不登校と大きく違って、「所属」を失うという現実があります。

 支援は、そのような青年と居合わせ、彼らのこれまでの在り様を受容し、彼らのストレングを見つけ、彼らのリカバリーの足掛かりとなることができるようにするのです。一方で、彼らの保護者のメンタルサポートも同等に重要な支援であります。CCMは、新しい人生の一歩を踏み出せずに躊躇(ちゅうちょ)している青年と保護者に寄り添い、次の支援機関を見届けるまでサポートをすることが役目です。

 CCMは昨年12月、九州大大学院医学研究院教授の加藤隆弘先生を招いて、公開講座を行いました。テーマは「メンタルヘルス・ファーストエイド」でした。このプログラムの特徴は、市民を対象とした、メンタルヘルスに関する初期対応の有用性とその具体的な方法を示し、適切な専門家につなげる情報提供などを行うというものです。

 上記の理論と方法が、15年間のCCMの活動をサポートするものになっていることを理解することができました。行政の委託事業である「中学校における不登校支援事業(ODS)」と「高校中退者支援事業」におけるアウトリーチ支援、一般市民を対象としたメンタルサポート支援は全て、「メンタルヘルス・ファーストエイド」としての支援活動であり、今後もコミュニティーでその役目を果たしていきたいと思います。



NPO法人カウンセリング&コミュニケーション・ミュー代表 山本泉 前橋市本町

 【略歴】カウンセリング勉強会を機に2006年NPO法人を設立。不登校生徒の訪問など各年代に合ったサポートを行う。聖学院大大学院後期博士課程修了。博士。

2018/03/20掲載

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