アレルギーと入園入学 情報共有と信頼構築を
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 アレルギー疾患を持つお子さんの保育園・幼稚園・学校への入園や入学の準備にはどのようなことが必要と思いますか? その親子だけでなく、保護者と先生方現場管理者との連携、理解や協力、そして何より信頼関係の構築が求められます。医療機関、身近な相談所である保健所、同じ悩みを持った者・親同士の自主グループ活動の支えなど地域のサポートがますます必要となります。

 2007年に文部科学省が発表した「アレルギー疾患に関する調査報告書」では、アレルギーは珍しい疾患ではなく、保育所や幼稚園・学校に、各種のアレルギー疾患の子どもが多数在籍しているということを前提としなければならない状況になっている、との認識が示されました。

 この方策として、主治医によって記載され、保護者を通じて学校などに届けられる「アレルギー版の学校生活管理指導表」を用いた仕組みが提言されました。提言に基づき、学校などで管理指導表が運用され、アレルギー対応がとられています。この対応で、薬物療法やスキンケアといった身に見える治療以上に大切で忘れてはならないのは、アレルギーに罹患(りかん)した子どもに対する心のケアです。

 福島県いわき市で食物アレルギーの子どもを持つお母さん、Mさんの取り組みはまさに医療機関、学校、地域保健所や自主グループと患者家族をつなぐコミュニケーションに重点を置いた活動と言えるでしょう。Mさんはかつて、行政に給食や日常のアレルギーに対する配慮や対応をもっと充実するように求めて活動していました。

 あるとき、「アレルギーの親に困っている」と言われ、行政や園・学校とのコミュニケーションの重要性に気付きました。保護者が園や学校に対し、園や学校で生活する上で必要な情報をほとんど示さないまま入園や入学を迎えるパターンが意外に多いことを知ったそうです。

 そこで助成金を活用し「学校や園とどのようにコミュニケーションをとるか」という講座を無料で開講しました。コミュニケーションを大事にすること、こちらが知ってほしいことをしっかり示せば、園や学校も理解してくれる、ということを強調していると言います。

 アレルギーは医療分野。Mさんは、受診せず自己判断でアレルギーを予防、治療しようとする人への情報提供が課題とします。第三者には、医師の指導に基づかない、体に良いこと=アレルギーにならない・アレルギーが治る、と言う思い込みによる対応はとても危険な行為だと知ってほしいと強く訴えています。

 幼いアレルギー罹患者が笑顔で新生活を送るには、その家族だけでなく、連携する先(第三者)との双方向のコミュニケーションと正しい情報が重要です。



環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク群馬代表 塩田忠則 高崎市倉賀野町

 【略歴】寝具などのクリーニングを手掛ける愛幸(高崎市)の2代目社長。全国組織「環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク支部会」会長。流通経済大卒。

2018/03/27掲載

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