認知症カフェ 支え合いを深める場に
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 私の所属する法人、プライマリーグループは2017年1月、桐生市の認定事業として認知症カフェをスタートさせました。認知症の人やその家族の方々を地域で支え、その方々の介護負担の軽減等を図るために設置されるカフェです。

 桐生市では現在14の認知症カフェが開設しています。ただ認知症カフェとうたうと、認知症のご本人や家族の方々には少し抵抗があるようです。私たちは名称をプライマリーカフェとしました。毎月第4金曜日の午前10時から正午まで開いています。

 認知症のご本人や家族の方が参加され相談を受けることもありますが、毎回相談の受け付けだけというわけではありません。地域住民や、時には専門職同士も集まって音楽会やカルチャー教室的な活動、情報交換も行っています。

 以前知り合いの方から「認知症カフェに参加して協力したい気持ちはあるのだけれど、実際に認知症の人や家族の人にどう関わったら良いのか、自分では気付かないうちに何か失礼なことをしてしまわないか心配で」と言われたことがありました。

 そこで、認知症への理解と関わりについての講座をカフェで開きました。一人でも多くの人に認知症のことを知ってもらうことが目的です。同じカフェルームに認知症の人やその家族の方がいても、その人たちの気持ちに寄り添って交流できるサポートになればと考えています。

 シニアの方に向け、簡単なエクササイズなどの認知症予防講座も開きました。一緒に取り組みながら、街のコミュニティー形成の役に立てるよう活動しています。

 先日のカフェでは施設に勤務する介護福祉士の仲間に参加してもらい、エッセンシャルオイルを使った香りのアロマクラフト作りをしました。香りによって嗅覚に良い刺激を与えることで認知症の予防にも期待ができるということで企画しました。参加者の中にバラの栽培を趣味にされている方がいて、クラフト作りをしながらバラの育て方についても話題が広がり、開催している私たちも大いに気付きを得る機会となりました。

 認知症は年を重ねると誰もがなる可能性のある病気であること、そして周りの人には見え難いけれども認知症のご本人も家族の方々も家庭の中では大変な思いをしていること、しかし認知症になってしまったからといって人生の全てが終わりではないということ、これらを踏まえてその方々を支えていくには私たち専門職はもちろん地域住民の方々の理解と協力なくしては実現できないと考えます。

 認知症カフェは全国的にも注目を集め各地でさまざまな取り組みが行われています。認知症に対するさまざまな誤解や偏見の垣根を取り除いていく大切な役目も担っているのだと思います。



認知症トレーナー講師 柿沼博昭 桐生市相生町

 【略歴】母親の病気を契機に福祉業界へ転職。プライマリー(桐生市)の社員としてデイサービス立ち上げや認知症トレーナー育成に携わる。桐生南高卒。

2018/07/04掲載

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