アレルギーと寝具 ダニ除去に丸洗い有効

 厚生労働省の発表によると喘息(ぜんそく)の治療を受けている全国の罹患(りかん)者数は120万人、治療していない人も含めれば、その潜在罹患者数は450万人と言われています。医療の進歩もあり、喘息関連死者数は年々減っていますが、苦しむ人が増えてしまっていることから、目を背けるわけにはまいりません。

 発症してから、医療に頼るのではなく、発症しにくい環境、喘息に罹患しても症状の起こりにくい環境を整える必要があるのではないでしょうか? 喘息の約7割がアレルギー関連だと言われています。病型をみると、小児喘息の大半(70~90%)はダニを原因アレルゲンとするアトピー型です。

 日本の住居において、畳1畳には、数十万から数百万匹ものチリダニがいます。これはじゅうたん、布団、ベッド、ソファなどについても同様です。このことから、1家庭にいるチリダニの数はどんなに少なく見積もっても、数千匹から1億匹と推測されます。このチリダニの死骸とフンが主なダニアレルゲンです。これを生活環境から減らさなければダニアレルギーの予防処置とは言えないでしょう。

 1カ所で長時間とどまるところ、それは布団です。布団の快適環境は、温度33プラスマイナス1度、湿度50プラスマイナス5%RHです。対して、チリダニの最適環境条件は、温度25~32度、湿度約70%RHで、人のフケやカビを餌としています。人にとって快適な布団環境はダニにとっても快適と言えます。そして、総発育期間23.1日、総産卵数140.3個です。布団の衛生環境を定期的に整えなければ、あっという間にダニは繁殖してしまいます。

 先に記したダニの好む3要素(温度・湿度・餌)のうち一つでも欠けば、繁殖を抑えられます。天日干しや布団乾燥機の使用は湿度を下げるにはとても効果的と言えますが、ダニアレルゲンである、死骸とフンの除去はできません。除去には掃除機の活用も有効です。1平方メートル当たり20秒間を目安に、ゆっくりとかけることが肝心です。しかしこれも、すべてのダニアレルゲンを除去できるわけではありません。

 お布団も衣替えの時期ではないでしょうか? お布団を寒くなる秋まで押し入れに収納しておくと、ダニが収納前の5倍の量に増えるという報告も出ています。天日干しや、掃除機だけで済ますことなく、布団の丸洗いを行い、ダニアレルゲン除去をしましょう。

 温水を使って、寝具の中心部まで洗浄するためには、専門の知識と技術、設備を要するため、業者に依頼しなければなりませんが、環境衛生の保健的措置を行うには、1年に数回ダニアレルゲンをリセットすることをお勧めいたします。



環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク群馬代表 塩田忠則 高崎市倉賀野町

 【略歴】寝具などのクリーニングを手掛ける愛幸(高崎市)の2代目社長。全国組織「環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク支部会」会長。流通経済大卒。

2018/07/06掲載

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