山本式判定法で迫る 史上最強の武士は誰か

 最強の武士は誰か?

 ボクシングのレベルは今現在が最強とされています。過去のデータから試合、トレーニング、戦術は日々進化していくためです。とすると現代に近い武士が有利になってしまうので、生きた時代での最強具合で判定し、逸話と影響力で戦わせます。あくまで勝手な山本式判定法で話を進めます。

 有名武将の織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。3人はたくさんの部下を率いて領地を守る武将でした。こういった人物ではなく自ら剣を持ち一対一で強い剣士は誰なのか?

 剣豪集団で有名な新撰組。近藤勇をはじめ沖田総司、永倉新八、斎藤一らそれぞれ天下に名をとどろかす剣士です。とにかく皆強いのですが、新撰組の真骨頂は組織プレイです。相手は1人でも絶対不利な局面を作らないために3人から4人でチームを組みフォーメーションを駆使して戦う特殊部隊。一対一で最強とは言いにくいです。

 宮本武蔵。剣を極めるために二天一流を用い、多くの剣豪と試合をしました。相手の心理を揺さぶり、砂や坂など地形を巧みに使い、二刀流というトリッキーなスタイルで相手を仕留めます。相手を崩し、勝つことに重きを置いています。武蔵は当時ストリートファイト最強だったのかもしれません。しかし、もし今の時代のように映像などの情報で動きや作戦もバレて対策を練られたら、攻略されるでしょう。武蔵も最強と言いにくくなります。

 塚原卜伝。剣聖と呼ばれるほどの腕だったと言います。卜伝が食事をしているところに、武蔵が突然斬りかかりました。卜伝は武蔵の方を見ることなく鍋ぶたで剣を止めた、という逸話が残ります。2人の時代を考えるとありえない話なのですが、剣の技術差から武士たちの間で広まったのかもしれません。しかし、卜伝の弟子である足利義輝がもう一人の剣聖、上泉信綱の剣を一目見て「貴殿こそ天下一の剣」と言っています。弟子が師匠差し置いてそれを言ってるんです。卜伝ですら最強と言えなくなりました。

 上泉信綱。無刀取りという無刀の時にも相手を制する奥義をあみだし、それを弟子に教え進化させて徳川家の兵法になります。これは国で一番の剣術と認められたといっても過言ではありません。柳生石舟斎、さらには槍(やり)の宝蔵院胤栄など弟子たちの名前も超一流です。さらに剣を学ぶことで人間を成長させる活人剣という考え方を広めます。袋竹刀という今の竹刀の原型も発明。活人剣は今の剣道となり、現代の剣士たちにも多大な影響力を与えました。

 逸話も影響力も大きく、最強の武士の可能性があるのは上泉信綱ではないでしょうか。そして上泉信綱は上野国、群馬県前橋市上泉町出身です。この名を群馬県の皆さんにぜひ知ってほしいです。



お笑い芸人 山本博 東京都新宿区

 【略歴】邑楽町出身で町観光大使。お笑いトリオ「ロバート」のツッコミ担当で、プロボクサーでもある。映画「お前はまだグンマを知らない」など俳優としても活躍。

2018/07/11掲載

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