障害児者親の会ネット 理解が支え、共に歩む

 伊勢崎の夏は厳しく暑い。そして帰省時のみ暮らした館林も本当に暑かった。双璧と言いたい。住宅事情の改善やエアコンの普及でしのぎやすくなっているが、湿度の高さや体温調節できにくい方の場合、いらつきや不機嫌な状態に陥る時もあるようだ。汗をしっかりかけず心身への影響が心配される。

 さて、2003年から伊勢崎市のお声がけにより障害福祉団体や福祉施設の保護者会などが集まり、ゆるやかなネットワーク(伊勢崎市障害児者親の会ネットワーク)を作った。以来、毎月定例会議を開き、毎年障害児者福祉の向上を願って市へ要望書を提出している。今の市長さんは私たちにとって2代目。「できるところから実行していきたい」と言われ、毎回意見交換の時間もいただく。

 昨年度開設された障害者センターは既存建物の大規模改修ゆえの難しさも感じている。一方で、完成後も「意見を伝えていただきたい」との姿勢をうれしく思う。先日もセンターの所長さんから「フリールームに毎月、市の図書館から絵本などを借りてくるので活用してもらいたい」と言われたところだ。利用しやすい施設を目指しての努力を評価したい。

 ネットワークの代表者は本人の親ではなく、弟に当たる方が務める。親の高齢化などにより兄弟姉妹が前面に出ざるを得ない場合もあるが、限界も見える。不可能なケースも無論ある。事務局を15年近く続けて思うことは、本人や家族、団体が現在の悩みやつらさ、将来の不安などを話せる場があってこその要望であり、進展なのだと。センター開所までは社会福祉協議会で定例会や研修を行えていたが、つながりを考えるとありがたかった。

 前回の文章で記した放課後等デイサービスへの移行を県より促され、当会は13年に今の建物へ移転した。それまで借りていた建物では設備基準に合わなかったためである。探しに探した。小さな組織には改修から移転までの時間と労力と費用がかさんだが、業者の方々から温かいご理解も頂戴した。

 しかし、17年度末よりまたしても移転先探しで暗礁に乗り上げたのだ。大家さんのご都合で仕方ないとはいえ、活動開始以来5回目のことだった。決まりかけたものの改修に至れない建物だったり、有力情報かと思えば持ち主の方が入院されていたりで鉛を飲んだような日々の中、協力者の情報提供は心底ありがたく感謝している。ようやく6月半ばに見つかったもののこれからが大変だ。

 放課後等デイサービスの基本報酬カットの影響、移転にまつわる改修費用の捻出に小さな福祉NPOは土台が崩れぬように黙々と必要な諸事を遂行するのみである。理解・協力者の大きな励ましを支えにして。



心身障害児者生活支援NPO法人アーチの会代表 安芸みどり 伊勢崎市今泉町

 【略歴】1994年にアーチの会を立ち上げ、障害児向け学童クラブを始め、2000年にNPO法人化。伊勢崎市障害児者親の会ネットワーク事務局。日本大卒。

2018/07/15掲載

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