地域振興とまち映画 若い力加え、増す元気
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 夏本番、各地で夏祭りの便りが聞こえてきます。10年ほど前、鬼石地域の活性化を図るため、祭りを題材にしたまち映画を製作しました。

 鬼石支所長として赴任した年、鬼石の昭和レトロな街並みに魅了されました。知り合いの映画監督に、藤岡市でフィルムコミッションを立ち上げられないか相談する中で、いっそのこと自慢の祭りで映画を作り、地域を元気にしようと言うことになりました。

 今でこそ、県内各地で地域映画も多く作られていますが、当時は藤橋誠監督が太田市や前橋市で製作を始めた、まち映画創世記でした。

 その年7月に行われた鬼石夏祭りを撮影して、青年会議所の会員や商工会の役員に映像を見ていただき、こんなシーンを盛り込んだ鬼石まち映画を作りたいと申し入れ了解を取り付けました。

 藤橋監督に鬼石夏祭りへの思いを込めた青春映画の原作・脚本づくりからお願いしました。並行して最も重要な作業、製作資金の手当てが青年会議所会員により進められます。町内各企業に協力を依頼し、「隣のおばちゃん」にもお願いして資金を積み上げていきます。映画の関係者をより多く増やすことも目的でした。

 映画の芯となるキャストには、監督の映画にも出演したプロの役者さんにお願いし、主役の4人他の出演者は、一般公募した多数の小中高生・大学生からオーディションで選びました。

 翌年5月、藤岡中央高校を借り、生徒にもエキストラ参加していただき、撮影スタートです。青年会議所会員もスタッフとして映画撮影に参加、陰から支えます。

 土・日曜を使い、鬼石商工会2階や青年会議所会員の自宅、お祭り広場やダムサイト、道の駅や街中などで撮影しました。鬼石夏祭り当日は、地元や「祭り当番区」の協力を得て、お祭りシーンや山車の演奏シーン等の撮影をして、鬼石まち映画「しゃんしゃんしゃんしゃしゃしゃんしゃん」のクランクアップです。

 9月下旬、地元多目的ホールで、午前・午後・夜間の3回先行上映会です。各回満席で、住民の方々にも大好評でした。その後、前橋市や埼玉県上里町の映画館や群馬アジア映画祭、高崎映画祭などでも上映しました。県多野藤岡振興局主催の地域づくりセミナーでは映画上映と製作のいきさつを講演。他地域のまち映画製作にも資料提供する等の協力もしました。

 映画の成功を受け、青年会議所会員たちは自信にあふれ、その後の地域運営に積極的に提言・参加するなど、地域活性化も図れたと思います。

 今は、県内各地で地域映画が作られる等、映像による地域情報の発信が進められていますが、そこに若い人たちの発想と行動力を活用してみたら、地域をもっと元気にできるのではないでしょうか。



藤岡商工会議所参事兼会遊亭亭主 田口宣雄 藤岡市中栗須

 【略歴】藤岡市役所でみかぼみらい館の設立に携わり、鬼石支所長などを務めた後、2013年から現職。入庁前に広告関係の仕事やカメラマンも経験。藤岡高卒。

2018/07/20掲載

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