CCMの17年 未来の子どものために

 カウンセリング&コミュニケーション・ミュー(CCM)の17年間にわたる支援活動を3期に分け俯瞰(ふかん)すると、第1期は、学びとボランティアの時でした。学びの中心は、カウンセリングとそれにとどまらないカール・ロジャーズの人間観、チャールズ・ラップのストレングスモデルでした。「学んだことを地域に返す」といったビジョンにより、各年代のボランティア活動(メンタルサポート、子育て支援、傾聴ボランティア)を始動した時期です。

 第2期は、2009年度より、前橋市教育委員会の委託事業である「オープンドアサポート事業(ODS)」を受託し、今年で10年目を迎えた時期にあたります。そして、17年度から、群馬県子ども未来部の「高校中退者支援事業」におけるアウトリーチ支援に起用され、支援活動に力を発揮しています。

 そして、第3期を迎えるにあたり、今後、子どもにかかわる支援者が、支援に対してどのようなビジョンをもつことが必要であるのか、言い換えれば、次世代を担う子どもたちに、いま、私たち大人が何をすることが必要なのか、そして、それはなぜ必要なのか、といった問いを整理したいと思います。

 地域活動のなかで出会った不登校生徒や引きこもりの青年は、一様に、彼らが置かれている環境に適応できていない状況にあります。このような時、彼らの「自己肯定感」は、低下しています。

 ロジャーズの研究者である諸富祥彦氏は「ロジャーズ心理学には、『人が、真に“自分自身”として生きる』、といったテーマがある」、そして、「人が、“自分自身”になるための理論と方法を示している」、さらに、その方法は、「他の誰かから無条件に受け入れてもらえるような共感的関係において、はじめて可能になる」と、ロジャーズ論を伝えています。

 これまでの支援の経験から、不登校の生徒が再登校する時、「自己肯定感」のリカバリーが起こり、生徒自身のストレングス(自分らしさ、個性、好み、価値観など)を発揮し、生きている実感をもっていることを、キャッチすることができます。それは、支援者が、彼らの「自己肯定感」を育み、彼らが「自分自身」になるリカバリーのプロセスに寄り添うことの意味を、知っているからです。そこには、非専門家ではあっても、知識と技術の研さんを惜しまない努力があるからではないかと思います。

 来る8月19日午後1時30分より、群馬会館にて、子どもにかかわる方々のための意見交換会を設営しました。所属や団体の枠を超え、次世代の子どもたちに対して、私たちができることを、再確認し、語り合いましょう。

 問い合わせは山本(電話070・6401・4947)へ。



NPO法人カウンセリング&コミュニケーション・ミュー代表 山本泉 前橋市本町

 【略歴】カウンセリング勉強会を機に2006年NPO法人を設立。不登校生徒の訪問など各年代に合ったサポートを行う。聖学院大大学院後期博士課程修了。博士。

2018/08/08掲載

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