話がかみ合わない訳 ロバートで慣れ過ぎて

 埼玉県で街巡りをするロケ番組をロバート3人でやらせていただいています。出会った人に声をかけてお話を聞いたり、飛び込みでお店に入ったり行き当たりバッタリで進んでいく番組です。

 ある日のロケ中の出来事でした。いつものように街をブラついているとおいしそうな小籠包屋さんがありました。お店の店員さんは中国の女性でしたが日本語がとても上手でした。

 それならとお店に寄り、ロケをさせてもらいました。厨房(ちゅうぼう)の中で店員さんが小籠包や肉まんの作り方を見せてくれ、さらには僕たちにも肉まん作りを体験させてくれました。その時、突然カウンター横の扉がガラッと開き20歳くらいの男性が入ってきました。男性は入るなりすぐに「ロバート!」と大きな声で言い、周りのカメラやスタッフさんたちを見回すと店から出ていってしまいました。

 ロケをやっていたから気を使って出てしまったようなので、僕らもすぐ外に出てその男性に「僕らのことは気にしないで大丈夫だよ。買いに来たんでしょう」と声をかけたら「え、何?」みたいな顔で僕らを見ているのです。

 「いや、ロケやってるけど気にしないで買っていっていいからね」と言っても「何言ってるの。この人」みたいな顔をするのです。さっきロバートと言っていたのに変なリアクションだな~と思いながら「だから、僕らとかカメラとか気にしないで買って行きなよ。お客さんでしょ」と言ってもキョトンとしている。

 店員さんに「先にお客さんを相手してください」と言うと、店員さんは外にいる20歳くらいの男性に中国語で話し始めた。男性は中国人でした。2人の会話の中に時々「ロバート」と聞こえるのです。

 戻ってきた店員さんに「あの人、中国の方ですよね。さっきからずっと『ロバート』って言ってませんか。なのに僕らの顔見てもキョトンとしてるし…。何ですかね」と聞くと「ロバートって言ってないよ。あの人、中国から来たばかり、ロバート知らない。肉まんて言ってる」と言うのです。どうゆうことと思い調べてみると、中国語で肉まんのことを「肉饅頭(ローマントー)」というのです。

 彼は僕らを見て「ロバート!」と言ったのではなかったのです。常連さんで店に入るなり「肉まん!」と注文をしていたのです。そして何か撮影してる風景を見て邪魔になると思い店を出たのです。

 めちゃくちゃ恥ずかしいです。僕らはロバートと言われることが普通になってしまっていて、まさかローマントーと言っているとは全く気付きませんでした。

 彼からしたら、全く知らない日本のタレントらしき3人が急にめちゃくちゃしゃべりかけてきた時はとても怖かったですよね、勘違いすみませんでした。



お笑い芸人 山本博 東京都新宿区

 【略歴】邑楽町出身で町観光大使。お笑いトリオ「ロバート」のツッコミ担当で、プロボクサーでもある。映画「お前はまだグンマを知らない」など俳優としても活躍。

2018/08/26掲載

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