アレルギーの啓発 支え合う社会築きたい
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 今や国民の2人に1人は、何らかのアレルギーに罹患(りかん)していると言われています。この花粉症や気管支喘息(ぜんそく)、アトピー性皮膚炎等Ⅰ型アレルギー疾患が日本に現れたのは50年ほど前と言われています。

 国のアレルギーに関する取り組みは1947年、小児喘息治療研究事業の実施がはじまりです。その2年後、小児慢性特定疾患治療研究事業において医療費助成を開始しました。

 それからおよそ20年たってようやくアレルギー疾患についての総合的な研究事業を開始し、病因および病態の解明、治療法等の研究の推進・免疫アレルギー疾患の診療に関するガイドライン等を随時作成または改訂し、医療関係者に対する適切な診断・治療方法の普及啓発の実施が進められました。

 そして、さらに20年以上経過した2015年、アレルギー疾患対策基本法が施行されました。ここで、基本理念に「適切な情報の入手ができる体制及び生活の質の維持向上のための支援体制の整備がなされること」、基本指針に「アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予防のための施策に関する事項」が盛り込まれました。医療従事者だけでなく、罹患者や地域社会においての啓発と予防、そして支援体制の整備がうたわれました。

 これはアレルギーが生活環境に大きく関わる疾患だからではないでしょうか?

 例えば、気管支喘息の患児がいる家族は、喘息の発作が起きないよう医療機関に相談しながら、長期管理薬で患児の気道の炎症を抑え、室内空間を衛生的に保つための環境整備を行い、かつ急な発作が起きることも想定しながら生活しています。

 食物アレルギーの児童でしたら、学校などの集団生活の場において、先生だけでなくお友達からの協力・配慮も必要とされる場面も出てくることでしょう。さらに、災害時に避難所などで普段の生活以上に肉体的にも精神的にも負担が強いられる生活の中に置かれた場合、罹患者とその家族への周囲の支え、協力が必要となります。

 そのためには、罹患者やその家族だけでなく、すべての人が科学的根拠に基づいた正しい知識を有し、人ごとにしないことが大切なのです。今、多くの団体が、予防と啓発活動を行っています。

 昨年東京で行われ、5千人規模の集客をした「みんなのアレルギーエキスポ」では、国などの行政機関だけでなく、全国の大小さまざまな企業、NPO法人、学生、当事者団体が集まり、情報発信と交流をしました。

 群馬県においても、思いやりのある、温かい支え合う地域社会づくりと支援体制の整備が進むことを切に願います。



環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク群馬代表 塩田忠則 高崎市倉賀野町

 【略歴】寝具などのクリーニングを手掛ける愛幸(高崎市)の2代目社長。全国組織「環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク支部会」会長。流通経済大卒。

2018/09/04掲載

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