ぐんま観光リーダー塾 魅力生かす新たな一歩

 「浅間のいたずら 鬼の押出し」

 群馬県民なら常識であろうフレーズを、東京から4年前に移住してきた私が知ったのはわりと最近です。たまたま長野原方面に行った際、看板をみて浅間火山博物館と鬼押出し園へ。もともと旅好きで、熊本の阿蘇や伊豆諸島の三宅島などの火山スポットには足を運んでいた私ですが、鬼の押出しを見て感動! こんな近場に絶景ポイントがあったなんて誰か教えてくれよ、と思ったものです。

 他にも群馬に住むようになって知り、行ってみたらいいところだったという場所はいろいろあります。東京は情報があふれていて、飛行機や新幹線にもすぐ乗れるし、魅力的な見せ方をしてくる観光地が国内外たくさんあって選択肢が豊富です。私が移住前に観光で群馬に来たのは、みなかみのラフティングや谷川岳、桐生のトロッコくらいでしょうか。その時も群馬に来たというより、コンテンツ目当てに来たらたまたま群馬だったという感じです。

 移動コストが下がり旅先の選択肢が増え、団体から個人に旅のスタイルがシフトする中で、今までの方法が通用せず苦戦している観光地は全国にあります。ただ、江戸時代や昭和の旅行記などをみても、旅行する人の「地元ではできない体験をしたい、写真などで旅を記念に残したい、その土地のおいしいものを食べたい」などの根本的な欲求は変わらない部分が多いのではないでしょうか。

 フィルムカメラがスマホになったり、情報収集が紙からウェブになったりと形は変わっています。自分の望む情報を得ることはITで容易になりました。古くなったり陳腐化して人が来ない、ということももちろんあるとは思いますが、お客が勝手に来るという時代が長すぎて、自分たちの魅力を客観的に伝えるのが群馬県は苦手なように見えます。尾瀬ですら「聞いたこともない」という若者がたくさんいる時代です。長くそこにいると、なかなか外からの見え方というのは分からないものです。

 昨年私も参加した県観光物産国際協会の「ぐんま観光リーダー塾」。今年も「コンサルではなく、地域の中で先進的な観光まちづくりを実践している」という目線で選ばれた全国各地や県内の経営者などを講師に、全8回の講座がなんと受講費計5000円で開かれます。県内で宿泊・交通・農林・飲食・物販などの観光関連産業をしている方や、今後主体的に関わりたいと考えている方にとって非常にお得で有意義な学びの場です。詳しくは「ググッとぐんま」のホームページまで。県内の受講生同士のつながりや、新しい事業に果敢に取り組んでいる講師の方々との出会いは、きっと群馬の魅力を再発見し、新しい一歩を踏み出すのに役立つはずです。



元片品村地域おこし協力隊 本間優美 みなかみ町政所

 【略歴】大手通信会社を経て2014年12月に片品村へ。皮の利活用などに取り組み、協力隊退任後は沼田市で会社員。第1種狩猟免許所持。東京都出身。国際基督教大卒。

2018/09/08掲載

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