堀越二郎ヒコーキの会 町おこしの夢、空高く
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 藤岡市では江戸時代の数学者「関孝和」、世界遺産となった養蚕飼育学校の高山社を創設した「高山長五郎」、当時世界一の名機と言われた、零式艦上戦闘機(零戦(ゼロせん))等の航空機設計者「堀越二郎」が三偉人と呼ばれています。

 堀越については、2013年のジブリ映画「風立ちぬ」(宮崎駿監督)で主人公のモデルとして脚光を浴びるまで、旧藤岡高の関係者や一部航空機マニア等以外では、地元藤岡市民でも知る人は少なかったと思われます。

 「風立ちぬ」公開の年に、藤岡歴史館で「堀越二郎の軌跡」展が開催されました。期間中、歴史館の年間来場者の倍を数える2万人以上の堀越並びに航空機ファンが日本全国より集まりました。

 この頃、地元のラジコン飛行機愛好者等により、世界的航空機設計者である堀越を顕彰することを目的としたグループができ、やがて零戦の模型制作等を経て、「堀越二郎ヒコーキの会」が立ち上がります。

 会の事業として①堀越が関わった数々の飛行機模型の制作を通じ、多くの市民県民に実績を啓発すること②次世代を担う子どもたちが、パイロットやCA、航空機設計者等になるべく「大空へのあこがれ」を抱く一翼を担うこと③地元に、ラジコン愛好家の大人から飛行機に興味を持った子どもまで、だれもが安全に楽しめる仮称「堀越二郎記念飛行場」を造成すること―などを目標に掲げ、活動を続けています。

 神流川河川敷で幅30メートル・長さ150メートルの民有地が違法ごみ捨て場所となってしまい、国土交通省が整備した場所があると地元住民から聞き、16年に調査しました。一面背丈程の草に覆われていましたが、交渉の結果、一部を無償で貸していただけることとなりました。

 河川敷の環境整備等も目的とし、国交省の理解を得て、会員総出で雑木の伐採や除草等を進めました。翌年、県多野藤岡振興局地域振興補助金および藤岡市まちづくり交付金事業を受け、本格的な飛行場づくりが始まります。

 5月の子どもフェスティバルでの実機展示や12月の子どもラジコン飛行機教室等も補助金・交付金を活用しています。併せて、堀越が最後に関わった国産初の旅客機「YS-11」の模型も制作。太田市の「富嶽を飛ばそう会」との交流も始めさせていただきました。

 戦争と結び付けたがる人も多い名機零戦ですが、日本で一番多く製造したのは群馬の中島飛行機であり、その技術は地元自動車メーカーへ引き継がれ、堀越の優れた設計思想は「YS-11」や現在の「MR-J」にも通じています。

 今後も、民間でできる町おこしとして、堀越二郎の顕彰を進め、記念飛行場を日本全国からマニアが訪れる、零戦の聖地にしたいと思います。



藤岡商工会議所参事兼会遊亭亭主 田口宣雄 藤岡市中栗須町

 【略歴】藤岡市役所でみかぼみらい館の設立に携わり、鬼石支所長などを務めた後、2013年から現職。入庁前に広告関係の仕事やカメラマンも経験。藤岡高卒。

2018/09/20掲載

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