マナーは変わっても 心遣いが社会を優しく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 先日、久しぶりに企業さまからビジネスマナー研修のご依頼をいただき、皆さまの前でお話をさせていただいた。そしてあらためて、マナーや作法というのは、時代とともに、すこしずつ形をかえていくのが自然なのだが、それに向き合う気持ちというのは、変わらないのだ、と感じた。

 最近、ウエディングの世界でも、少しずつ以前と形が変化してきていることがある。例えば、招待状の差出人が、ご両家かお二人か、ということ。十数年前は、ご両家からの招待が当然だったが、現在ではそのスタイルはほぼみかけず、お二人の名前で招待状を出されることが多くなっている。これも以前であれば失礼なことだったかもしれないが、今は全くそのようには思わない。しかしながら、親御さまの立場も考えたい…ということで、ご両親からの一言を、招待状本文に書き添える方も多く、それはご両親への心遣いなのだと思う。

 現代では、さまざまなことを、正しい、正しくない、というのを決めてしまう方が難しく、二人や両家の考え方でお決めいただくので構わないと、私は思っている。ただ、できれば、新郎新婦二人だけで決めるのではなく、やはり結婚は、両家の結びとなるものなのだから、両親に折をみて相談をすることを勧めたい。それは「頼る」のではなく、「心遣い・愛情」である。

 企業内でも、昔と違うことがたくさんある。先輩から教えをいただく時、資料などは必死にメモを取っていたが、資料を携帯の写真に収めているのをみかけ、とても驚いたことがある。メモが普通だった頃からすると、信じられない光景で、愚弄(ぐろう)されているのかと感じてしまう場合もあるだろう。しかし、それも時代の流れなのだと、しばらく考えてから、私は黙って受け止めた。

 年代の違う人が、一緒に仕事をし、生活する社会だから、どちらかがどちらかに合わせるのではなく、互いが互いを理解し、心遣いができたら、素晴らしい環境ができるのではないかと思う。メモの例ならば、昔の時代のことを、そっと後輩に教えてくれる人がいて、今の時代では悪いことではないけれど、不快に感じてしまう人がいることを知る。その上で、撮影しても良いかを尋ねるなどしてくれたら、少しだけ救われた気持ちになるだろう。

 今回の研修で、私が何度もお伝えしたこと、それは「相手を思いやる心」を持ってほしいということ。こんなふうにしたらどう思うか、こんな言い方をしたらどう感じるか? 相手を不快にさせないよう、心を配ることをみんなが少しずつ意識したら、きっと優しくあたたかい世界になっているはずだ。自分でもあらためて心に刻むことができ、よい機会だったことに、心から感謝である。



フリーウエディングプランナー 砂賀美絵子 桐生市本町

 【略歴】27歳からウエディングの仕事に従事し、2015年に桐生市内に店舗「オー ハッピー ウエディング」を開設。桐生女子高―白鷗女子短大卒。

2018/10/08掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事