エピテーゼの未来 普及に尽くす決意新た
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 昨年11月より寄稿させていただき、最終回の第7回目となりました。仕事を通して思っていること、過去の経験、夢であった仕事に就き仕事として成り立たせることができた過程や原点を文章に起こすことは容易ではありませんでしたが、過去を振り返ることができた年でもありました。

 歯科技工士という職業やエピテーゼの存在を認知してもらうために書いた記事を読んでいただき、補填(ほてん)修復物を作る技術者の存在、欠損部をカバーできるということが多くの読者の方に届いているのならば幸いです。

 エピテーゼは資格がなくても作れます。ですが、誰もができる簡単な仕事ではありません。歯科技工士としての理工学や解剖学の知識のすべてが私にとって、エピテーゼを製作する上での基礎となっていることは間違いないと思います。歯科技工士の仕事は歯を作るという単純なことではありません。使用材料や口腔(こうくう)内のことを熟知しそれから応用する、患者さんのQOL向上を支援するという点ではエピテーゼを製作することも変わりはありません。

 自分の持っている知識や経験をいかにそのケースに注ぎ込むか。私は歯科技工士としてのスキル・手技があったからこそ日々のエピテーゼの臨床ケースに対応できたのだと思います。しかし、まだこれからたくさんの知識を得て経験を積まなければならないことは当然です。

 歯科技工業界がますます発展するために先輩技工士の皆さんに負けないよう常に向上心や探求心を持ち続けたいと思います。日々の努力や経験を積み重ね、決して自己満足でなく患者さんに喜んでもらえる補填修復物を作れる歯科技工士でありたいと考えています。

 今後の展望などよく聞かれることがあります。漠然とした考えは頭の中にあり「時間をかければ何とかなる、自分でなくとも誰かがやるのでは」などと思っていました。ですが先日学術発表をした際にとても多くの歯科技工士の先輩方から称賛を受け、たくさんの激励やアドバイスの言葉をいただきました。頭の中でモヤモヤしていたものがパッと晴れたような、先は長いけれど今後のビジョンというものが明確になりつつあるような気がします。

 未来予想図として描いているのが、エピテーゼ製作における技術者を育成し、歯科技工士や義肢装具士でなくても製作に携わる技術者たちをサポートしバックアップできる業界作りです。エピテーゼはその種類によって医療用具ではなく雑貨という位置づけのものもあります。心身の医療用ケア用具のような存在になれば、さらには労災だけでなく腫瘍や先天性の欠損においても各自治体や保険のサポートなどを受けて利用できるようになれば、さらに身近な存在になることでしょう。



歯科技工士 萩原圭子 高崎市片岡町

 【略歴】歯科技工士の傍らエピテーゼの技術を学び、2011年に萩原歯研・エピテーゼ製作室メディカルラボKを開設。製作技術者の育成にも取り組む。高崎市出身。

2018/10/11掲載

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