秋冬の多々良沼 多様な鳥、いつまでも
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 猛暑と豪雨、台風や北海道の地震で、亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、けがをした方たちのお見舞いを申し上げます。人の心や自然が傷付いた夏も終わると、秋から冬へと季節は変わるが、果たして例年同様に冬鳥たちが来てくれるか心配になる。

 9月下旬になると水位の下がった多々良沼の中州に、シベリアなどの北極圏で繁殖活動した旅鳥でシギ科のアオアシシギ、ツルシギ、オジロトウネン、トウネン、タカブシギなどが越冬地の南半球などへ渡る途中に立ち寄る。長いものでは、1カ月以上も滞在するシギもいる。

 また、この時期は珍しいシギを撮るために大勢のカメラマンが集まり、沼の周囲がにぎわう。旅鳥とは、日本より北の地域で子育てをして、南半球などで越冬する鳥のこと。

 10月! 冬鳥たちの飛来が期待される時季である。カモ科のコガモやオナガガモ、カイツブリ科のカンムリカイツブリが沼の水面に見られるようになる。冬鳥ではないが、上空にはミサゴ科のミサゴが魚を捕まえるために水面にダイビングする光景が見られ、カメラマンたちの絶好の被写体となる。

 中旬になると、冬の使者といわれるハクチョウの飛来もあるだろう。周辺の草地や林などでは留鳥または漂鳥のホオジロ、メジロ、セッカ、モズなどが日ごとに数を増し、目にすることが多くなる。

 これからの季節、日を追うごとに気温が下がってくると、いつも見られるスズメやキジバト、ムクドリなどに交じって、本州では留鳥だが、北海道でも子育てをするヒヨドリ、冬鳥のジョウビタキ、オオジュリン、ツグミ、シメ、ベニマシコや留鳥のカワラヒワなどが沼の周辺で観察できる。

 沼の水面では、シベリア方面から渡ってきた冬鳥のカモやハクチョウなどでにぎわいを見せる。特にカモ科のミコアイサは白と黒の色模様がパンダのように見えるので人気があり、一度見たら印象に残るカモである。例年30~50羽くらいが越冬する。

 この他、海鳥のセグロカモメはシーズン中観察でき、ユリカモメ、ウミネコは時々数羽飛来する。

 多々良沼では、毎シーズン飛来するマガンが数羽見られる。2017年12月から18年2月には、80羽を超すマガンが東方のねぐらから多々良沼に飛来してきた。

 こうして、多々良沼に飛来する鳥たちを見ていると季節感が分かる。しかし、近年は地球温暖化の影響とみられる変化があるように感じられる。

 これからの季節は、ハクチョウ見物の人たちや珍鳥などを追うカメラマンなどでにぎわいを見せる多々良沼に例年同様、鳥たちの飛来を願いつつ終わりたい。



前・日本野鳥の会群馬館林分会長 太田進 館林市松原

 【略歴】民間企業を退職後、日本野鳥の会群馬館林分会に入会。1996年から2017年5月まで同分会長。多々良沼自然公園を愛する会の世話人。館林市出身。

2018/10/12掲載

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