生活環境とアレルギー 皆で快適に暮らしたい
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 国民の半数が何らかのアレルギーを持っていると言われる現代、国も医療事業者も改善に向けてさまざまな取り組みを始めています。しかし、アレルギーを持つがゆえに日常生活で不便を感じている方が多くいるのを考えますと、今、この時点で不便を軽減する、苦しまなくてよい環境を整えることも、大切かと思います。

 アレルギー症状は、アレルゲン(原因物質)を体内に入れることで起こります。その経路は、経口・接触・吸入です。経口暴露は、食物アレルギーなど、飲食によるところが多く、調理品の材料に何が使われているか、確認をせねばなりません。

 接触暴露は、せっけんや化粧品、衣類など、肌に接触するものから暴露します。口にする、顔を洗うなど、普段当たり前にしていることから体に取り入れないように気を付けなければなりません。

 吸入暴露は、呼吸をすることでアレルゲンを取り入れてしまいます。日常の摂取量を比較してみますと、成人1日当たりで食物 は1キロ、水分は2キロ、そして 空気は15キロ(DryAir)と言われています。そして多くの人がその生活の9割の時間を、人工物の中で過ごしています。自宅だけでなく、移動中の車や電車、会社や学校、公共施設など、すべてがそうで、この中で私たちは呼吸をしています。ですので、この空気の管理をすることは、アレルゲン暴露対策となります。

 花粉を戸外から持ち込まない対策に加え、建物の建材や家具などの調度品に使われる化学物質なども原因物質が使われていることもありますので、室内の換気扇などで排出や外気の取り入れなども必要となります。

 毎日使う寝具は、丸洗いなどのメンテナンスを怠れば、ダニやカビなどの発生源となってしまいます。特に、睡眠中は無防備な状態となるうえに、1日のうち、1カ所でかなり長くの時間を過ごすことになる場所でもあります。寝室での空気環境のコントロールはとても重要と言えます。

 たとえば、布団は、そのまま静かに置いている状態を「1」としますと、寝返りを打つと10倍、上げ下ろしをすると1千倍の量のハウスダストやダニアレルゲンが舞います。布団をクリーニングするだけで、その暴露量を軽減することができるのです。カーペットやカーテンなども同じことが言えます。

 エアコンも衛生管理を怠れば、カビをまき散らすことにもなりかねません。購入時にアレルゲンのことを吟味することも大切ですが、日々のメンテナンスはさらに重要だと私は思っています。それは、個人個人はもとより、公共の場も、隣人に対する配慮もしかりです。「私」が大丈夫でも、「隣人」にはつらいアレルゲンかもしれません。思いやりのある社会づくりをしていきましょう。



環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク群馬代表 塩田忠則 高崎市倉賀野町

 【略歴】寝具などのクリーニングを手掛ける愛幸(高崎市)の2代目社長。全国組織「環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク支部会」会長。流通経済大卒。

2018/10/25掲載

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