平和とは何なのか 心で感じ、おだやかに
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 平和とは何なのか。デジタル大辞泉によれば「平和」とは「①戦争や紛争がなく、世の中がおだやかな状態にあること。また、そのさま②心配やもめごとがなく、おだやかなこと。また、そのさま」とあります。共通しているのは、「おだやか」な状態です。同じく「おだやか」とは気持ちが落ち着いていて物静かなさまをいうとあります。

 気持ちであり、それは心です。心の大切さを現代人は見失っているのではないでしょうか。心はもっと芸術に寄り添い解き放たれるべきものではないかと考えています。

 私の職業は、詩人であり、小さな出版会社の代表取締役でもあります。まず、この「詩人」というだけで相手が不思議そうな表情になるのですが、それだけ日本では詩に対して理解がない土台が形成されています。学校で学んだものが大人になるにつれて忘れ去られてしまうのです。詩人とは詩を創作することを業としている人です。難しい言葉で説明しなくても義務教育である小学校で習い、実際に自分でも詩作をしているはずなのに、どこかで詩が、自分の魂の言葉が、置き去りにされてしまうのです。

 多くの人に「詩は難しくてわからない」という感想をいただきます。詩に限らず絵画も文学も大人になればなるほどわからなくなるようです。確かに本当にその作品を自らに浸透させるためには、その背景を学ぶことが必須であり知識が必要になりますが、それはどの職業のどの仕事でも同じことであり詩だけ例外ということではありません。

 まずは率直にあまりいろいろ考えずに楽しんでみたらどうかと思います。最初はわからなくていいのではないでしょうか。正解を求め過ぎて楽しめなくなっているのではないかと感じています。詩は詩人の魂の言葉です。まずそれをただ感じ取るだけから始めてみてはどうでしょうか。

 さまざまなことを心で感じて思いを巡らせてみる。そうして心が豊かになり、想像が無限に広がり、他者を思いやる心もじわじわ広がるものなのではないでしょうか。それが心のおだやかさにつながりまた、世界は平和になっていくのではないかと一人の詩人としての考察です。

 詩を作るより田を作れということわざがありますが、人はパンのみで生くるにあらず。パンはもちろん生きていくために必要です。ただそれだけでは心の栄養が足りずに心が枯渇してしまいます。詩も田も大切です。田も作れではなく社会全体で協力して作るものでしょう。どうかみなさん心にもっと栄養を。それは、本を読むことだったり他者と関わり、そして思いやることだったり、それを積み重ねて培われます。私もそうして生きてきました。

 未来を担う若者へ、ずっと寂しく戦っててきたあなたへ私からのメッセージです。



詩人、井上出版企画代表 井上優 みなかみ町上牧

 【略歴】本名・井上雄。日本現代詩人会員、日本児童文学者協会員、日本ペンクラブ会員。前橋市出身。英バイアム・ショウ美術大ファウンデーションコース卒。

2018/11/05掲載

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