群馬で暮らす 変化と不変の調和探る
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 いよいよ待ちに待った狩猟シーズン。群馬県の猟期は通常11月15日から2月15日の3カ月間です。私を含め多くの猟師は本業が他にある人が多く、サラリーマンなら土日をフルに使っても20~30日しか出猟できないので、この期間は他の予定をなるべく入れないようにしている人が多いのではないでしょうか。

 群馬に来て狩猟を始めてから4年ですが、この数年で狩猟に対する世間のイメージが少しマイルドになったような気がします。解体手順の写真などを掲載した雑誌が一般の書店に並び、都心のジビエ料理店は人気漫画の影響もあり女性客が多く訪れています。

 私が狩猟免許をとった時、東京の試験は年に2回でしたが、今年は4回になりました。それだけ狩猟に興味を持つ人が増えたのだろうと思います。ただ、東京の人が猟場を探して実際に猟を始めるのはハードルが高くペーパー猟師になる人も少なくないようです。地方で猟師が減って困っている一方で東京ではペーパー猟師が増えているという状況の解消を目指し、わなをシェアしたり、初心者が入りやすい新しい仕組みを始めた団体もあるようですが、趣味で狩猟を体験したいというニーズと、専業では食えないけど地域の担い手は欲しいという現実を埋めるのは簡単ではありません。

 また、多くがネットを活用し情報発信をしていますが、狩猟の世界は昔から動物虐待とたたかれたり、SNSやブログが広まった数年前も獲物をとった写真をアップして炎上したりと、あまり情報を出さないようにしていた背景があります。発信者は今でも探り探りで、他の分野にはないストレスを感じています。

 一方、ユーチューブで狩猟の映像を見て参考にしたり、獲物がわなにかかった時に携帯にメールが届く道具ができたりと、猟師もITを活用する時代になりました。一生安泰で正解というものがなくなってきた今、その時々に合わせた道具の使い方や伝え方を考え続けていかないといけないのだろうと思います。

 狩猟分野に限らず、群馬に移住して仕事をする中で、地方やニッチな業界こそネットやITの活用で機会を増やせるようになると実感しています。群馬にある良いものを知ってもらい、地域で働ける人や仕事を増やせるよう、今秋から中小企業と地方のウェブマーケティング支援を行う会社で働くことになりました。

 趣味志向が多様化している中で、興味があるか分からない多くの人にPRするより、興味を持って検索している潜在顧客に見つけてもらう仕組みをウェブで作っていく技術が必要になってきています。変わらない良いものを残すことと新しい変化を楽しむことのバランスを自分なりに探しながら、これからも群馬の暮らしを楽しんでいければと思います。



元片品村地域おこし協力隊 本間優美 みなかみ町政所

 【略歴】大手通信会社を経て2014年12月に片品村へ。皮の利活用などに取り組み、協力隊退任後は沼田市で会社員。第1種狩猟免許所持。東京都出身。国際基督教大卒。

2018/11/06掲載

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