二つの伝え方 能動的な学びに挑戦を
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本スポーツ協会「コーチデベロッパー(コーチ育成者)」講習会の1回目が9月、岸記念体育会館(東京)であり、全国から推薦された50人が参加しました。

 同協会は、2019年度からコーチ養成のために、新たに「モデル・コア・カリキュラム」を取り入れた共通科目集合講習会を行う予定です。コーチデベロッパーとは、この講習会でつくられるアクティブ・ラーニングを主体とした学びの場において、時代をリードするコーチングを正しく理解させたり、受講者の学びを支援したりするために、同協会が創出した講師(ファシリテーター)のことです。

 スポーツをはじめとしたさまざまな分野における伝え方として、ティーチングとコーチングがあります。

 ティーチングとは、「知っている人が知らない人に教える」「できる人ができない人に教える」ときに使うやり方で、「自分が持っている知識、技術、経験などを相手に伝えること」といわれています。コミュニケーションスタイルは一方通行となる傾向があります。その結果、ともすると教えられる人は受け身になってしまうこともあります。

 一方、コーチングは、基本的には「教える」ことはしません。その代わりに、「問いかけて聞く」という対話を通して、相手にさまざまな考え方や行動を気づかせ、選択肢を引き出していきます。コーチングは、「問いかけて聞くことを中心とした“双方向なコミュニケーション”を通して、相手がアイデアや選択肢に自ら気づき、自発的な行動を起こすことを促す手法」ともいわれています。

 今までの高校の授業は、先生が一方通行の講義型授業を行うティーチングに偏り過ぎた気がします。もちろん、対象者の知識量、タスク(課題)の難易度によってティーチングが適しているときはあります。そのときにはティーチングをしっかりしたらよいでしょう。

 しかし、コーチングが適しているときもあります。授業において、すべてコーチングを行う必要はありませんが、状況に応じて使うべきかと思います。コーチングにより思わぬ考えや行動を引き出すこともあります。コーチングを行うとき、アクティブ・ラーニングの手法を使うことが効果的である、ということも少なくありません。

 アクティブ・ラーニングとは「学習者の能動的な学び」のことです。「能動的な学び」をうまく行うことができれば、頭が活性化するとともに、課題に対して、能動的、主体的になり、それによって、自ら、気づいたり、問題解決したりすることができるようになることが多いです。

 高校の先生には、時には、よきファシリテーターとなって、アクティブ・ラーニングの視点を持った授業にチャレンジしてほしいものです。



明和学園短大教授 田口哲男 高崎市羅漢町

 【略歴】県内公立高で37年、理科教育や学校運営に携わり、2018年4月から現職。日本バレーボール協会公認講師。近著「高校生に確かな学力をつける」。同志社大卒。

2018/11/09掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事