皮膚疾患と
内臓病変(糖尿病、肝疾患)
 昔から「皮膚は内臓の鏡」と云われているように、内臓病変はしばしば皮膚にも特有な症状を現します。現代人に多く見られる肝臓病、糖尿病、高脂血症、腎臓病などにおける皮膚の変化についてふれてみます。
 肝臓病では皮膚の色が次第に黄色くなり黄疸を生じてきます。これはビリルビンという色素が血液中で増えるために起こるものです。
 また手のひら・舌の表面が赤くなり、胸や背中にクモ状血管腫がみられます。これは毛細血管の変化を表しているもので、赤く細いクモが脚を広げているように見えるからです。
 その他に体の痒みやいつまでも良くならない蕁麻疹なども起こります。治りにくい皮膚病は、その背後に何かの基礎疾患が隠れていることもありますので注意が必要です。
 糖尿病は膵臓のホルモンであるインシュリンの作用が不十分なため、体内の糖質や脂質の代謝に異常を生じる全身的な病気です。
 皮膚の血管変性が起こるため、様々な異常が現れます。一時的なものとして顔が赤くなります。むこう脛には褐色のシミが現れ、さらに症状が進行すると脂肪組織の炎症をおこして黄色い不規則な斑があらわれます。
 また足の裏や踵などの水ぶくれ、治りにくい傷、化膿がひどくなり潰瘍を起こしているときには糖尿病を疑います。足の水虫を悪化させて重篤な細菌感染をおこすことがあるのでフットケアが大切になります。
 高脂血症では皮膚にもコレステロールの沈着がおこり、瞼に「黄色腫」と呼ばれる黄色の結節があらわれ、アキレス腱が太くなることも特有な症状です。
 腎臓病に伴う皮膚の変化は急性期には眼の周りにむくみを生じ、慢性期には貧血のために皮膚と爪は白くなります。そして発汗機能が低下するため皮膚は乾燥し全身に褐色の色素沈着がみられます。
 このように様々な皮膚症状は、内臓からのサインをあらわして体の中の危険を知らせてくれる場合があります。健康管理のために、日頃から全身の皮膚をよく観察することは重要なことです。

2001年10月