腰の痛みは
 内科や婦人科の病気の他に、整形外科の領域だけで腰痛の原因となる病気も多様なものがあります。今日はさまざまな腰の痛みについてお話しましょう。 俗に「ギックリ腰」といわれる急性腰痛は、重いものをもって腰をねじったり、不自然な無理な姿勢を続けて起こる、腰椎捻挫(ようついねんざ)の状態をいいます。
 腰の痛みがお尻や足の方まで放散したり、咳やくしゃみで痛みが下肢にまでひびくような場合には腰椎椎間板ヘルニヤが疑われます。
 高齢者で、骨粗鬆症が強い場合には、転んだり、物を持っただけで脊椎の骨が折れる「脊椎圧迫骨折」をおこすこともあります。
 これらの場合、まずは横になって安静にすることが大切てす。それでも痛みが軽くならない場合には、診察をうけましょう。
 腰の痛みが長く続いている慢性腰痛は、過度の肥満や体幹の筋力の低下や脊椎の変形などが原因となり、鈍痛を訴えます。
 つぎに「寝腰」といわれる状態は、昼間はどんなに動いても痛みを感じないのに、夜仰向けに寝ると朝方、腰が痛くて目が覚めます。この痛みは、昼間はなるべく前かがみの姿勢を長く続けないようにして、夜寝るときには仰向けにならず腰を伸ばさず横になり、膝を曲げるようにして休むとよいでしょう。
 つぎに生まれつき腰の下の方の脊椎の一部の骨が分離したり、滑ったりする脊椎分離、脊椎すべり症は、同じ姿勢で長く立っていたり、腰を反らす時などに痛みを強く感ずる症状です。「すべり」がすすむと脊椎神経を圧迫してヘルニヤと同じような神経根症状(しんけいこんしょうじょう)を伴います。
 年をとると骨粗鬆症の人が目立ちますが、これとは反対に骨が硬くなり、変形性脊椎症や脊椎管狭窄症になりやすい人も多く見受けられます。これには二つのタイプがあります。変形性脊椎症の痛みは、朝起きる時に痛みますが、動き出すと軽くなります。
 また脊椎管狭窄症の場合は、ある一定の距離を歩くと痛みが強くなり、立ち止まり、腰をかがめた姿勢でいると軽くなってまた歩ける、いわゆる間欠跛行(かんけつはこう)の症状が特徴です。
 慢性的な腰痛が日増しに強くなり、また夜間にとくに痛みが強くなるような傾向のある場合には、脊椎腫瘍や癌の骨転移などの難しい病気も疑われます。このような場合には、診察の上、MRIなどの検査をお願いしてみましょう。
1999年7月