岡山天音、現代若者のリアルを等身大で表現 他の追随を許さない20代名バイプレイヤー
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 今期連ドラ2作『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)と『ゆうべはお楽しみでしたね』(TBS系)に出演し、その好演からドラマファンの間で“時の人”となっている岡山天音。これまでにも多くの作品に出演してきている売れっ子の名バイプレイヤーだが、近年では主演作も増えるなど、ここにきて人気が急上昇している。

【写真】典型的なギャルを演じる本田翼と岡山天音

■朝ドラ『ひよっこ』の貧乏漫画家役から注目

 2018年は、映画『神さまの轍 -checkpoint of the life-』や『テロルンとルンルン』への主演のほか合計5本の映画に出演。ドラマでも『ゼロ 一獲千金ゲーム』(日本テレビ系)のほか、1話のみのゲスト出演なども含め、8作に出演してきた。そうした出演作を見ていくと、昨年、今年で主演をする機会が増えていることがわかる。

 そんな岡山が近年、お茶の間での認知度を上げたのは、なんといっても、NHKの朝ドラ『ひよっこ』で、ヒロインのみね子が住むあかね荘の住人・新田啓輔を演じたことだろう。浅香航大演じる坪内祐二とともに、漫画家を目指す青年を演じ、なかなか芽が出ない貧乏暮らしのなか、希望を失わずどこかのほほんとした空気を醸し出す好演が、視聴者に好印象を残していた。

 また、昨年はNHK BSプレミアムの地域発ドラマ『ワンダーウォール』でも、京都のとある大学の学生寮「近衛寮」に暮らす学生をリアルに演じた。岡山が今、引っ張りだこなのは、現代の若者のリアルを等身大に表現できることが大きいのではないだろうか。

■今期連ドラ2作でそれぞれの今どきの若者像を体現

 とくに、今期の『デザイナー 渋井直人の休日』では、光石研演じる主人公・渋井直人のアシスタントとして働いている杉浦役を演じていて、その言動やちょっとした振る舞いのリアルさがとても印象に残る。杉浦は親ほども年の離れた渋井にも思ったことは淡々と告げるし、「ちょっとバカにしているのか?」と思われるような発言すらある。ただ、ときおり、「渋井じゃないと一緒に仕事はできなかった」という心境を漏らすため、渋井がお約束で女の子にフラれて打ちひしがれたときも、どこか杉浦の存在に救われるのだ。

 一方、『ゆうべはお楽しみでしたね』では、ゲームのドラクエを通じて、本田翼演じるヒロイン・ゴローさん(おかもとみやこ)と知り合い、ひょんなことから同居をすることになる主人公・パウダーさん(さつきたくみ)を演じている。

 この作品では、ゲームオタクでリアルの場でのコミュニケーションは決して得意ではないという役を演じている岡山。そのうえ、彼はゴローさんのような典型的なギャルの女の子に苦手意識を持っている。しかし、ゴローさんと同居するなかでもなんら態度を変えず、ゲームのなかで接していたときのようにフラットな態度で接したことで、次第にゴローさんはパウダーさんに惹かれるようになっていく。

『渋井直人』のアシスタントは、相手の年齢を気にせず思ったことを言う。やる気に満ちているわけではないが、どこか達観しているところがあって、大人をタジタジにさせる、年功序列の考え方に囚われない今どきの若者像を表現している。『ゆうべはお楽しみ~』のパウダーさんは、オタクでコミュニケーション下手だけれど、そこで拗ねたりせず、淡々と日常生活を送る若者像を体現している。

■どこにでもいそうな人=難役をさらっと演じる

 こうした、どこにでもいそうで、でもいざ演じるとなると役を成立させるのが難しい役を、さらっと演じられることも岡山が起用される所以だろう。もし、『渋井直人』のアシスタントが、今どきの若者像を想像で誇張して表現していたら、この作品のなんともひょうひょうとしたおかしみは伝わらなかったかもしれない。

 決してイケメン俳優の立ち位置で呼ばれているわけではないが、自分たちの暮らしのなかのどこかにいそうで、長くつきあっていくうちに、日に日に「こいつ、いいやつなのでは?」と思わせるのが岡山の持ち味だからこそ、本田演じるゴローさんが、いつの間にかパウダーさんを好きになっているという展開にも納得がいく。

 そんな岡山は近年、20代のバイプレイヤーとして他の追随を許さない存在となってきた。今後は主演を含めてさらに活躍の場を広げていことだろう。
(文/西森路代)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事