清原果耶、17歳で見せる女優然とした所作 メディアと視聴者一致の高評価のワケ
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 NHK連続テレビ小説『なつぞら』で主人公・なつ(広瀬すず)の生き別れた妹役として突如出演、その凛とした演技でお茶の間の話題を独占した清原果耶。事前予告もなく意表を突かれた形になったが、清原の清楚な透明感のみならず、その間の取り方、涙の流し方、含みのある表情など、女優然とした演技は秀逸で、視聴者・メディアからともに称賛される結果となった。時には“ゴリ押し”プロモーションが批判される若手女優だが、清原は弱冠17歳でメディアと視聴者の両者から支持される“稀有な存在”と言えるのではないだろうか。

【写真】儚すぎる…透明感MAXの純白ワンピで可憐な笑顔を見せる清原果耶

■『透明なゆりかご』でたっぷりとつけた助走、満を持して登場した『なつぞら』

 清原のデビューのきっかけは、大手芸能プロダクション・アミューズ主催のオーディション『アミューズオーディションフェス2014』でグランプリを受賞したことによる。

 その後、連続テレビ小説『あさが来た』(NHK総合)で女優デビューを果たし、「三井のリフォーム」やアステラス製薬のCM、映画『3月のライオン』などへ次々と出演。昨年、初主演のドラマ『透明なゆりかご』(NHK総合)で産婦人科のリアルな現場で心が揺れる看護学生を演じ切ると、同作品は「文化庁芸術祭」テレビ・ドラマ部門で大賞を獲得するなど、数々の賞を受賞した。新人発掘には定評のあるNHKのドラマに、清原の持つ等身大の演技が見事にハマった結果だろう。

 そして今回、朝ドラの『なつぞら』にヒロインの妹・千遥役として再び登場。主人公・なつは兄の咲太郎(岡田将生)とは再会を果たすも、生き別れの妹はいまだ消息不明という視聴者もずっと気になっていた役柄だが、劇中での出演発表とあわせ、その大役を果たしたのである。

■山田孝之も太鼓判、大物女優を予感させる迎合や媚びを拒む自立した魅力

 SNSでも「千遥役がこの子で良かった」、「千遥のこれまでが見えるような演技だった」、「弱さの中にさらに強弱をつける演技が見事」、「この子がヒロインの朝ドラが観たい」など、わずか数分の登場シーンながら絶賛の声が上がったのである。そしてメディア側にも「清原果耶の演技に引き込まれる視聴者続出」(まんたんウェブ)、「確かな演技力で物語牽引した清原果耶の演技」(mainichi)などと称賛され、記事へのコメントがさらに清原の評価を拡散するという“好循環”を生んだ。

 そうした清原の“高評価”の背景には、清原自身の17歳とは思えない女優然とした佇まいや所作、役へのこだわりがあるようだ。実際、清原はドラマの妹の境遇に合わせるかのように、台本は読んでもオンエアは観ず、自分の兄弟を演じる岡田将生や広瀬すずとも、事前に顔を合わせないことを望んだという。

 また、山田孝之プロデュースの映画『デイアンドナイト』で家族の愛情を知らずに育った少女・奈々を演じたときのインタビューでは、役との向き合い方について「自分が奈々を読み解く力がないんじゃないかっていうぐらいに悩んだ」(ORICON NEWS/2019年1月)と振り返りながらも、「正直、奈々という役柄を掴んだ実感は最後までありませんでした。奈々と私はもちろん境遇も生きてきた道程も違います。理解してあげたい、でも理解しきれない。だけど、なんとなくシンパシーを感じたんです」(同上)と語っている。

 そして山田孝之から「清原さん自身が奈々だった」「清原さんが(僕が考える)奈々に見えた」と評されたことで「それをきっかけに、深く沈んで考えすぎずに、『自分が思う奈々を演じれば、それを受け止めてくださることを信じればいいんだ』と方向転換して演じました」(同上)と話したように勘の良さと切り替えの上手さがあるようだ。

 たしかに清原の演技を観ていても、清原にはピュアなひたむきさの中にも確固たる意志の強さを感じさせ、あえて言えば意固地さや頑固さにも通じるものだが、そこがまた迎合や媚びを拒む自立した魅力となっている。最近のビジュアルや人気が先行した若手とは違って、大物女優を予感させると言えば言いすぎだろうか。

■王道コースでありながら出し惜しみも? “仕事を選べる”逸材

 一方で、清原が若手女優として“王道”コースを走ってきたことも事実だ。新垣結衣や西内まりや、川口春奈、飯豊まりえ、永野芽郁などのように、ティーン向け雑誌『ニコラ』(2015~2018年)や『Seventeen』(2018年~)の専属モデルを務め、10代から圧倒的な支持を獲得してきた。企業のCMでもイメージガールとなり、昨年度は『全国高校サッカー選手権大会』応援マネージャーにも就任するなど、お茶の間での人気も得ている。若手女優が通るべき道は外していないのである。

 そして、NHKの硬派なドラマで演技力を養いながら、『3月のライオン』や『ちはやふる』といった同世代の俳優たちが集結する、いわばキラキラとした青春映画にも出演する。ただ、こうした幅のある柔軟な活動歴でありながら、出演作が特段多いわけではない。これは、息の長い国民的女優に育てようという良い意味での出し惜しみでもあり、仕事を選べる逸材になるまで大切にしてきた事務所側の“マネージメント力”もあるのだろう。

 清原の若さ、透明・清楚なルックスもさることながら演技で視聴者の心を掴み、メディアとしても国民的な知名度まで高まっていることで、10代女優の中で“一番手”に躍り出たことは間違いないだろう。前述のインタビューで「観てくださった方の心を動かせるような女優になりたい。いつまでもお芝居を好きで楽しむ心を忘れずに持っていられるようにいたい」と語っていたが、今一番、説得力を持ち合わせている10代女優とも言えるかもしれない。

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