大学で研究に没頭する“リケジョ”の変身欲求は、「真剣に取り組む“遊び”」
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 漫画やアニメ、ゲームなどとともに、日本を代表するポップカルチャーとして海外からも注目されているコスプレ。好きなキャラクターになりきり、作品の世界観に没入する…という文化は広く支持され、今ではほぼ毎週末、全国各地でコスプレイベントが開催されるなど、その人気は加熱の一途を辿っている。今回は、現役女子大生でもある人気コスプレイヤー・うぷらてさんにインタビューを実施。プライベートでの意外な一面や、イベントに参加する際の心構えなど、独特のコスプレ観について語ってもらった。

【画像】爆弾ボディをおしげもなく… 脚線美で魅了するうぷらて他コスプレ写真集

■コスプレにハマるきっかけは大学のサークル「オタクサークルではなく、クラシック演奏です(笑)」

――コスプレを始めたきっかけは?

【うぷらて】大学のサークルの先輩から「一緒にコミケに行こう」と誘われたのがきっかけです。「せっかく行くのならコスプレもしてみたい」と盛り上がって、2017年の冬コミで初めてコスプレをしました。

――所属されているのはどんなサークルですか?

【うぷらて】オタク系かと思いましたか?(笑) 実はクラシック音楽のサークルです。中学生のころからフルートを習っていて、今でも続けているんです。

――コスプレ衣装を着てフルートを吹く動画など、アップしたら話題になりそうですね。

【うぷらて】“演奏してみた”系の動画にも興味はあるんですけど、いい音質で録音できる機材を持っていないんですよ。せっかくアップしても、音が悪いと曲の魅力が半減してしまうので、そこで躊躇してしまって。フルートの他にも、篠笛という木製の笛も持っているので、機会があれば動画アップしたいですね。

――楽しみにしています。ちなみに大学では、どんなことを勉強されているのでしょう?

【うぷらて】ざっくり言いますと、専攻しているのは物理で、“物性”の研究をしています。原子や分子レベルで物の構造を知りたくて、いろんな装置を使って調べているんです。

――いわゆる“理系女子”なんですね。研究で得た知識を、こういう形で役立てたい…といったプランはあるのでしょうか?

【うぷらて】世の中にあるすべてのものは、適当に作られているわけではなくて、すべて理由があるんです。なので、成分や原料の比率を把握すれば、さらに良いものを作り出すことに役立てるんですよ。現時点で最終形態と言われているものでも、その形に至るまでの工程を正確に理解すれば、改善点はいくらでも見つけ出せるので。そのために必要なデータを日々収集している……といった感じです。公表できない情報も多いので、抽象的な表現になってしまってしまうのですが。


■プライベートの充実を念頭に就職活動「社会人になってからもコスプレは続けたい」

――コスプレをし始めたことで、日々の生活にも変化はありましたか?

【うぷらて】のめり込むようになってからは、衣装を作りたい、撮影に行きたい、イベントに参加したい…と、予定が山積み状態で、ちょっとだらしない生活になってしまいました。食事をするのが面倒くさくなったり、睡眠時間を削るのも当たり前になっていたので、今後はその辺りも改善して、きちんとした生活リズムを取り戻すつもりです。来年から社会人なので、公私のメリハリはしっかりつけないといけないですね。

――就職に合わせて、コスプレとの付き合い方は変わりそうですか?

【うぷらて】学生時代ほど時間を割くことはできないので、頻度は下がりますが、無理のない範囲で続けていくつもりです。金銭面では余裕ができるので、じっくり時間をかけて、良い衣装を作りたいですね。

――就職活動の際は、今後のコスプレ活動も念頭に置いて職場を探されたのでしょうか?

【うぷらて】コスプレのため…というわけではなく、ふつうに趣味に費やす時間が欲しいと思って就職活動しました。幸い、完全週休二日制で8時間勤務の会社から内定をいただけたので、休日も充実させられそうです。それと、副業も認められているので、コスプレ撮影会やROMの製作などは今後も続けていけそうです。

――コスプレを仕事にしよう…という考えはなかったのですか?

【うぷらて】まったくなかったですね。実際のところ、コスプレ1本で生計を立てられるのは、ひと握りの方だけですし、時間と労力を費やしたからといって、必ずしもそれだけの収入を得られるコスプレイヤーになれる…というわけではないですから。コスプレだけで安定した収入を得られる将来像は見えなかったですね。私はバリバリ働いて、高めの水準で安定した収入を稼ぐキャリアウーマンになりたいと考えているので、今後も趣味として、楽しく取り組むつもりです。


■イベントでは事前に撮影ルールを提案「居心地のいい空間を作る努力はするべき」

――『コミックマーケット』などのイベントでは、コスプレイヤーを撮影するための長蛇の列が、ある意味“名物”になっていますが、こうした風潮に対して、独自の見解があるそうですね。

【うぷらて】ありがたいことに、私もイベントに参加した際は、カメラマンさんに並んでいただけることが多いんですけど、撮影後のデータのやり取りにものすごく時間がかかるので、そこを簡略化したくて。撮っていただく前に、DM上でのやり取りの手順や、場合によっては写真の掲載を控えていただきたい…といったことを伝えて、それでもOKな方にだけ、撮っていただくようにしています。

――そうしたルールを提案するようになった理由は?

【うぷらて】撮っていただいた写真のやりとりにはSNSのDMを使うことがほとんどなんですが、中には何往復してもやり取りが終わらない方もいますし、思ったように撮っていただけなかった場合などに「SNSに写真の掲載は控えてほしい」と伝えると、態度が豹変して文句を言われる方もいらっしゃって。すべてに対応していると私自身も精神的にまいってしまうし、カメラマンさんにも「せっかく並んでまで撮影をしたのに…」と嫌な思いをさせてしまうので、それならば最初から「こういう条件を提示しますけど、それでもいいですか?」と確認したほうが、お互いにリスクも回避できるので効率的だと思い、必ず聞くようにしているんです。

――後々、トラブルになりそうな不安要素は、撮影の前に取り除いておこう…というわけですね。

【うぷらて】そうですね。「やっぱり…」という後出しがトラブルを招くケースは多いと思うので。コスプレイベントがあるたびに、毎回のようにトラブルが起きてSNS上でも騒動になっているような気がするんです。そうした事態を避けるための工夫は、レイヤー側でもするべきだと思うんです。最初はいろいろ言われるかもしれませんが、続けていけば結果的に、自分の感覚に近いレイヤーさんやカメラマンさんとの出会いにつながると思うんです。それに、そうして出会った大切な方々に不快な思いもさせたくないですからね。「楽しくコスプレに取り組みたい」と考えている人ほど、事前にルールを作ったほうがいい…というのが私の持論です。

――貴重なご意見、ありがとうございます。それでは最後の質問になります。ずばり、うぷらてさんにとってコスプレとは? 率直なお気持ちを聞かせてください。

【うぷらて】いろんな考え方があると思いますが、私にとってのコスプレは、真剣に取り組む“遊び”ですね。費用や労力の面も含めて、本気になって取り組むからこそ、心の底から楽しいと感じられる“遊び”だと捉えています。


取材・文/ソムタム田井

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