吉沢亮&若山詩音、アニメ『空青』制作スタジオへ潜入 『あの花』『ここさけ』チームの仕事場に「感動しました」
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 俳優・吉沢亮と若山詩音が共演する劇場版アニメ『空の青さを知る人よ』が10月11日に公開される。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』に続き、長井龍雪監督、岡田麿里氏(脚本)、田中将賀氏(キャラクターデザイン・総作画監督)による「超平和バスターズ」が手掛ける秩父を舞台にした作品。このほど公開に先立ち、アニメーション制作を手掛ける都内のスタジオ「CloverWorks」を吉沢と若山が訪問した。長井監督と田中氏の案内を受け、作品の完成を担うリアルな“仕事場”の雰囲気に終始、大興奮の様子だった。

【写真】吉沢亮&若山詩音、スタジオ訪問の様子

 同作で吉沢が演じるのは、高校卒業後ミュージシャンとしての成功を夢見て上京するも売れず、地元の友人とも音信不通のギタリスト・金室慎之介、そして13年前からやって来た18歳の慎之介・通称“しんの”。慎之介のかつての恋人である相生あかね役で吉岡里帆が出演する。若山は、あかねの妹で“しんの”と再会する高校生・相生あおい役を務めている。あおいはかつて、しんのをきっかけに音楽と出会い、現在は受験勉強もせずベースにのめり込み音楽漬けの日々を送っている。

■『あの花』『ここさけ』…名作を生み続けるスタジオに潜入

 このたび吉沢と若山が訪問したCloverWorksは、『あの花』『ここさけ』も手掛けてきた「A-1 Pictures」の高円寺スタジオが18年4月に改称し、同10月に会社として設立された。すでに『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(16話以降)、『約束のネバーランド』など多くの人気アニメを制作している。

 2人でスタジオのエントランスをくぐると、長井監督と田中氏が笑顔でお出迎え。廊下には『あの花』の“めんま”こと本間芽衣子などのキャンバスアートがあり、作品ファンの吉沢は「めんま、こんなところにいたのか~。『あの花』懐かしいなあ…」と目を細めた。

 その後、アニメーターらが作業する「クリエイターズルーム」に足を踏み入れると、壁一面に貼られたキャラクターたちの設定画に2人は「すごーい!」と歓声。部屋には劇中でしんのとあおいが弾くモデルのギター(ギブソン・ファイヤーバード)とベース(エピフォン・サンダーバード※劇中ではギブソン)も資料として用意されており、こちらにも吉沢と若山は目を輝かせた。

 ベースを弾いていたという若山は「いやー、憧れですねこれ! サンダーバード自体が憧れ。これがあおいちゃんのカラーになると思うと…めっちゃ楽しみですね」と声を弾ませる。吉沢は「ちなみに僕はまったく弾けないです(笑)。一時期役をやってましたので、その時は弾けたんですけど」と謙遜していたが、弦をストロークする姿などはバッチリ様になっており、若山からも「(しんのの)実写版だ(笑)」とコメントされていた。

 部屋の奥に位置する長井監督のデスクでは制作中の原画カットを見せてもらうことに。さらに、原画と原画の間を埋める中割りカット(=動画)と併せ“パラパラ漫画”状態で動きがつくと、2人とも真剣に見入っていた。吉沢からは「この映画1本を作るのに何枚くらい絵を描くんですか」と質問もとび、『ここさけ』では作画枚数が約5万5千枚にも達したと教わるとさらに驚きの声を上げていた。

 最後は、『君の名は。』や『天気の子』など多くの作品でキャラクターデザインや作画監督を務める田中氏が自身のデスクで登場人物のイラストを描き、吉沢と若山へプレゼントすることに。描いてくれたのは、2人が演じているしんのとあおい。魔法のようにペンをよどみなく走らせると、輪郭が瞬く間に表情を帯び、ものの2~3分でしんのとあおいが仕上がった。キャラクター画を贈呈され笑顔を弾けさせた吉沢と若山は、イラストを手に写真撮影に応じ、スタジオ見学を終えたのだった。

■声優初挑戦の吉沢亮「普段の芝居より5倍のテンションでやらないと」

 その後は長井監督、田中氏も含めて取材に応じた2人。吉沢が「僕ら(受け手)は普段アニメの出来上がったきれいな部分しか見てないので、そこに至る過程を見られて感動しました」と語れば、若山も「壁に一面に貼られてる設定画だったり、本当に繊細に描いていらっしゃるんだなって。自分もこの映画にかけていく思いがもっと大きくなりました」と興奮冷めやらぬ様子で語った。

 吉沢は今作で初めてアニメの声優に挑戦したが、「普段の芝居って表情も姿勢も体の動かし方も全部を使うから、声以外で伝える部分が意外と多い。なので、(これまで)こんなにも“声”を意識しないで芝居してたんだなってこの作品を通じて思いました。普段の芝居より5倍くらいのテンションでやらないと、声だけじゃ伝わらないんだなって」と多くの学びを得たと話す。

 初声優にして実質“一人二役”に挑んだわけだが、演じ分けに関しては「同じ人間ではあるんですけど、完全に夢や未来しか見てない高校生(しんの)と人生諦めてしまってる男(慎之介)で性格は真逆。なので、性格的な演じ分けっていう意味ではそんなに難しさはなかったです」と冷静に振り返る。ただ、年齢的な声質の違いは生じるため「同じ人間だから同じ声ではあるんですけど、2人で言い合うシーンもあるので、しんのはテンション高めにトーンも上がった感じ、慎之介はなるべく低いところで出していこうという意識はありました」と、何度も自身の声を録音し比べるなど研究を重ねたそうだ。

 一方、若山が演じたあかねは、しんのと向き合うなかでいつしか淡い恋心を抱いていく。音楽に興味をもつきっかけをくれた彼が突如13年前の姿のまま現れたという設定だが、「その小さい頃の気持ちがずっと続いてて、最初は尊敬の念があったと思うんですけど、勇気づけたり、励ましてくれる言葉で尊敬から恋心も生まれていったのかなって私は捉えてました」と想像をめぐらし、「あおいちゃんの感情が大きく動くときが感情移入していただける所だと思うので注目して頂きたいです」と見どころを語った。

 吉沢にも注目ポイントを聞いてみると、「今作に関しては、恋愛の要素が(前二作の)今までの作品と比べてより強いのかなって気がしています。なので僕は、慎之介と(あおいの姉)あかねの恋愛が人間臭くて好きですね。結構ここは感情移入できる“ダメンズ”がいっぱいいるんじゃないかと思います(笑)」と“大人の恋模様”の魅力を挙げてくれた。

 『あの花』『ここさけ』そして『空青』。前二作では一貫して埼玉の秩父を舞台に、10代の群像を描いてきた。長井監督いわく『空青』では当初、主人公が秩父を出ていく物語が念頭にあったが、「最終的には『やっぱり地元って悪くなかったよね』と肯定したい気持ちになって。若い頃は単純に出たくてしょうがない場所だったのが、今考えると『なんか地元っていいよね』って言っちゃう自分がいて、そういう部分が話し合う中でまとまっていった」のだという。

 故郷の自然も人も、多感な10代にはどうも優しすぎて物足りず、その豊かさに気づく頃はすっかりいい大人になってたりするもの。今作では、得体のしれない“将来”に揺れる10代の少年少女、そしてちょっと疲れた背中の大人、異なる眼差しが故郷・地元を映している。その世界観に向き合った吉沢と若山の真摯な思いに触れ、映画公開に一層期待が高まった。

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