田中裕子、15年ぶり映画主演「私にとっての小さな春に」初共演の蒼井優と二人一役
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 女優の田中裕子(64)が、映画『おらおらでひとりいぐも』(今年公開)で15年ぶりに主演を務めることが17日、わかった。『第54回文藝賞』『第158回芥川賞』をW受賞した若竹千佐子氏のベストセラーを沖田修一監督が映像化。主人公・桃子さんの生涯を、初共演となる田中と蒼井優(34)が二人一役で演じる。

【写真】メガホンをとる沖田修一監督

 主人公は、75歳でひとり暮らしをしている「桃子さん」。1964年、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、身ひとつで上京してから55年。夫・周造と出会い結婚し主婦となり、2人の子供を育て、これから夫婦水入らずの平穏な日々を過ごそうと思った矢先、突然夫に先立たれ途方に暮れていた。

 ひとり家でお茶をすすり、図書館で借りた本を読みあさるうちに、46億年の歴史に関するノートを作り、万事に問いを立ててその意味を探求するようになる。やがて桃子さんの“心の声”が、ジャズセッションに乗せて内から外に湧き上がっていき、孤独な生活が現在と過去を行き来する毎日に一変する。蒼井が「娘の時代」「妻の時代」の桃子さん(20~34)、田中が「現在」の桃子さん(75)を演じる。

 遠足ロケでは、冬の澄んだ雑木林を散策した田中。どんぐりや松ぼっくりを拾い、生命の移り変わりを実感したといい「私も日々朽ちていくのでありますが…」とジョークを交えると「この歳になってこの作品に会えて、沖田監督にお会いできて、うれしいです。監督の撮影中の一喜一憂される姿が目に焼き付いています。私のこれからの日々に監督のあの姿を思い出してニヤニヤできる事が、私にとっての小さな春になりそうです」と充実感をにじませた。

 田中と初共演した蒼井は「『田中裕子さん主演、沖田修一監督作品』という、何があっても映画館で観たい作品に、自分も携わらせていただけたこと、心からうれしく思います」と感無量の様子。「壮大で奥行きのある、ユーモア溢れた作品になっている」とアピールしながら「田中裕子さんとご一緒させていただくことも夢でしたので、世界中に自慢したいくらい幸せです」と喜びを爆発させていた。

■以下、監督・キャスト・原作者のコメント

沖田修一監督
「この原作をどうやって映画にするのか、企画をいただいた時、映像化が難しいと思う反面、他にないような不思議な映画になりそうだとも思いました。
田中裕子さんとのお仕事は、毎日が刺激的で、緊張もありましたが、桃子さんの生活の機微のようなものを撮っている時の、あの楽しさを思い返すと、とても素晴らしい時間だったと思います。また、蒼井優さんが、若い桃子さんに丁寧に向かってくださり、監督としては、もう2人の桃子さんを撮りながら、ひたすら感動していたのでした」

田中裕子
「スタッフの皆さま キャストの皆さま、お疲れ様でした。今回の撮影では、最初、図書館に恐竜の図鑑を借りに行って、小学生のコーナーでしたが、その時からなんだかもう小学生のような気分になりました。撮影の中で、図画工作の時間がありました。音楽の時間もありました。体育の創作ダンスの時間もあったし、遠足も行ったし。保健かな? 湿布の貼り方っていうのもあったような気がします。
遠足ではとてもお天気に恵まれてきれいに澄んだ空気の中、雑木林でどんぐりや松ぼっくり拾ったりしました。あのどんぐりや松ぼっくりも寒い冬をくぐって朽ちてゆくんだと思いますが、雑木林にはまた春がやってくるんですよね。
私も日々朽ちていくのでありますが、この歳になってこの作品に会えて、沖田監督にお会いできて、うれしいです。監督の撮影中の一喜一憂される姿が目に焼き付いています。私のこれからの日々に監督のあの姿を思い出してニヤニヤできる事が、私にとっての小さな春になりそうです。皆さま、ありがとうございました」

蒼井優
「『田中裕子さん主演、沖田修一監督作品』という、何があっても映画館で観たい作品に、自分も携わらせていただけたこと、心からうれしく思います。私は、田中裕子さんが演じられる『現代の桃子さん』の20代と30代パートで出演し、現代パートでは桃子さんの脳内の声をやらせていただきました。
この作品は桃子さんという1人の女性のお話ですが、映画をご覧になられる方、皆さんのお話でもあると思います。桃子さんの今に想いを馳せたり、娘・直美の言動に自分を重ね反省したりしながら撮影を進めていました。
1人の人生にスポットをあてた作品でありながら、壮大で奥行きのある、ユーモア溢れた作品になっていると思います。オファーをいただいた時から、早くこの作品を観たくてたまりません。田中裕子さんとご一緒させていただくことも夢でしたので、世界中に自慢したいくらい幸せです」

原作者・若竹千佐子氏
「『おらおらでひとりいぐも』が映画になるなんて夢のようです。ましてあの田中裕子さんが主役だなんて!
同世代、大好きな女優さんです。桃子さんが大勢の人を介してもう私の手の届かないところに大きく羽ばたこうとしています。作者として何よりうれしいことです」

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