伊藤沙莉、春ドラマでも増す存在感 千葉雄大の“あざと可愛い”演技をけん引する女優としての実力
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 NHK総合「よるドラ」枠で放送中のドラマ『いいね!光源氏くん』で、ヒロインを演じる伊藤沙莉。どんな人物もリアルに演じる芝居の力で、近年はドラマ出演の引きも切らない彼女だが、本作では主人公・光源氏を演じる千葉雄大とのコンビの良さも相まってさらなる存在感を発揮している。かつては「ニートかな? と思うくらいお仕事がなかった」という彼女が、唯一無二のポジションをつかんだ理由とは?

【画像】伊藤沙莉が主演声優で絶賛『映像研には手を出すな!』場面カット多数

◆好対照な2人が起こすリアルでコミカルな化学反応

 物語は、「源氏物語」でおなじみの平安貴族・光源氏が現代にタイムスリップ。 1人暮らしOLの部屋で"いとおかし"な共同生活が始まる──。そんな奇想天外なストーリーに、ゆるくも雅な笑いが詰まった内容だ。

 視聴者のドラマ満足度を調査した「オリコンドラマバリュー」では、初回64pt(100Pt満点)とまずまずの好発進。2話目では79Ptまで上昇した。中でも「キャストの組み合わせがいい」(30代女性/京都)、「主役の2人がハマってる」(30代男性/東京)、「2人とも演技がうまくて好きです」(50代女性/大阪)など、千葉雄大×伊藤沙莉のコンビに好印象なコメントが多く集まっている。

 千葉雄大が演じるのは、絶世のイケメンにして希代のプレイボーイこと光源氏。感動すると和歌を詠むクセがあり、1話目では、カフェで飲んだ初めての“抹茶フラペチーノ”に涙を流すほど感動した。意外に適応能力が高く、現代社会に慣れつつあってからはSNSでつぶやく和歌にフォロワーも急増している模様だ。

 一方の伊藤沙莉が演じるのは、地味で自分に自信のない"こじらせOL"の沙織。1人暮らしの部屋に突如として出現した光源氏を住まわせることになるが、仕事に振り回される自分とは裏腹にヒモ同然の雅な日々を送る光源氏に、はじめはイライラが止まらない。しかしやがて、現代人とは異なる光源氏のゆったりした時間感覚や価値観に癒されている自分に気づき始める。

 近年はその甘い顔立ちを生かした"あざと可愛い"演技でも注目を集めている千葉雄大だが、本作でもその持ち味を存分に発揮。「千葉くんの子犬のようなすがる目が最高」(50代女性/愛知)とのコメントの通り、女性たちが放っておけなくなる天然プレイボーイぶりを武器に現代社会を優雅にサバイブしていく役どころはまさにピッタリだ。

「洋服を着ていても腕を曲げて腰に手を当てて腰を落として歩いたり、カフェでいきなり歌を詠いだしたり、とにかく面白かった」(40代女性/神奈川)、「平安貴族の口調や衣装がハマってる」(30代女性/京都)とコミカルな芝居への評判も上々。そしてそんな浮世離れしたキャラクターが引き立つのも、「ごく普通のOL」を演じる伊藤沙莉の地に足のついた存在感と芝居の力は大きい。

◆「綺麗に見えたいとかはさらさら捨てた」 かつて苦難の時代を味わった女優・伊藤沙莉の芝居への覚悟

 9歳で子役デビューし、現在25歳ながら17年の芸歴を重ねてきた伊藤沙莉。本作の視聴者調査でも「どんな役をやってもしっくりくる」(50代女性/千葉)というコメントが上がったように、その安定感のある演技力から近年のドラマには欠かせない女優の1人となっている。

 最初に注目されたのは11歳、『女王の教室』(2005年/日本テレビ系)で演じたいじめっ子役だった。ところがその強烈なインパクトから、その後何年もいじめっ子役しか来なくなった。さらにはオーディションにも落ち続け、「19歳のときは『ニートなのかな』と思うくらいお仕事がなかったです」と、現在の活躍からは想像もつかない辛酸を舐めた時期もあったという。

 現在のポジションを確立するきっかけは、やはり23歳のときに出演したNHK朝ドラ『ひよっこ』(2017年)で演じたさおり(米子)役だろう。恋した男性に振られながらも猛アタックを繰り返し、ついに成就させた米子に喝采を送った視聴者も多かったはず。パワフルでコミカル、いじらしくて切なくて可愛らしい。こんな複雑な芝居ができる若手女優もなかなかいないと唸らされたものだ。

 以降の活躍はご存知の通り。昨年はドラマ6本、映画5本。Netflixドラマ『全裸監督』も話題を呼んだ。女優としては稀有なハスキーボイスも持ち味の1つで、今年はアニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)で主演と声優業でも注目を集めている。

 誤解を恐れずに言えば、いわゆる正統派美人女優ではない。『ひよっこ』の米子も、だからこそリアリティがある役どころだった。『いいね!光源氏くん』ではその点も含めて誰もが認めるキラキラなルックスの千葉雄大とは対照的であり、それぞれの持ち味を存分に引き出し合う好キャスティングと言えるだろう。

 伊藤沙莉は芝居のポリシーについて「『綺麗に見えたい』とかはさらさら捨てているので、自分に制限をかけず、守りに入らないようにしてるのは意外と強みなのかなと思います。求められたことは全力で受けて応えたい。ちょっとテイストは違うんですけど、お仕事で脱いだ時も同じ気持ちでした」と語っている。容姿を武器にせず、たゆまずに芝居を磨き続けて唯一無二のポジションをつかんだのが現在の伊藤沙莉という女優だ。

◆イケメンに翻弄されるヒロイン、伊藤沙莉のリアルで“可愛い”芝居にも期待

 またアンケートでは「光源氏の不法侵入(?)にバットを振り回してたのに、イケメンだったからちょっと心が揺らいだとか、コロコロ変わる表情が可愛い」(30代女性/埼玉)、「ほんわかしたリアルな可愛らしさ。本当に素敵な女優さんになったなと思います」(40代女性/東京)といったコメントも多かった。”可愛い"とは容姿ではなく、内面から滲み出るものだということが伺える評価だ。また伊藤沙莉がそうした内面から人物を演じることができる女優だという証明でもある。

 物語はこれから、光源氏の良き友にして、恋の競争相手でもある中将(桐山漣)までもが『源氏物語』の時代からタイムスリップ? また現代からはホストのカイン(神尾楓珠)と、沙織の周囲に新たなイケメンが続々と登場する。沙織と光源氏の関係の行方は果たして──? 今期の土曜夜は千年の時を超えたラブコメにゆるく笑って、雅にときめきたい。

【オリコンドラマバリューとは】
オリコングループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査。「オリコンドラマバリュー」はその結果を、過去1年間のデータに照らして偏差値化した。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1~20ポイントとし、計100ポイント満点で集計している。

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