70才の妻が妊娠…高齢初産・育児描くマンガに感動の声 ありえない設定は「幅広い読者の人生に重なるように」
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 サラリーマン一筋の人生で定年を迎えた65歳の夫と、70歳という超高齢で初めて自然妊娠した妻。そんな夫婦の育児の奮闘を描いた人気マンガ「セブンティウイザン」シリーズが、4月5日よりNHK・BSプレミアムでドラマ化された。70歳の初産というありえない設定ながら、女性・男性目線の心境が丁寧に描かれ、高齢出産のリスクや男性の育児参加、周囲の人々の温かさなどもテーマに盛り込まれた物語に、多くの読者や視聴者が感動の声を寄せている。テーマ設定の背景とリアルな課題を浮き彫りにする物語について、作者のタイム涼介さんに話を聞いた。

【漫画】70才妻の「私、妊娠しました」爆弾発言に65才夫の反応は…『セブンティウイザン』

◆心がけたのは、みんなの「あるある」「うちと同じ」エピソード

━━なぜ、70歳の初産というテーマで物語を描こうと思ったのですか?
【タイム涼介さん】40歳でも、50歳でも、60歳でもなく、70歳で初産という物語にしたのは、主人公の江月夫妻をあえて特定の誰かに似させず、「誰でもないけど、どこにでもいる人」にして、幅広い読者の人生に重なるように描きたいという理由からでした。

━━ありえない設定だからこそ、出産、子育てに関するリアルな心境も浮き彫りになっているようです。夫婦のキャラクター設定は、身近な方をモデルにされたのですか?
【タイム涼介さん】江月一家に起こるエピソードの多くの部分は、私自身の家族の体験が参考になっていますが、皆様が「あるある」「うちと同じ」と思えるエピソードになるように心がけています。

━━ドラマ『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』では、『セブンティウイザン』とその続編『セブンティドリームズ』が描かれています。放送後、どのような反響がありましたか?
【タイム涼介さん】反響は大きかったと思います。お話も映像も音楽も丁寧に作っていただいていますので、初めて作品を目にする方も、漫画をすでに読まれている方も、「主人公の気持ちがよくわかる」「涙が出た」という感想をSNSなどに書き込んでくださっているのをたくさん目にします。

◆「多くの人が育児に奮闘し、頑張っている」子育ての喜びを再発見してほしい

━━多くの読者に共感してもらうために、とくに工夫した点を教えてください。
【タイム涼介さん】70歳で超高齢出産するという状況はなかなかないことだと思いますが、誰しも妊娠出産する時、必ず環境が整っているとは限りません。ですから、年齢に限らず、健康状態や経済状態など、すべての条件が完璧ではなくても、赤ちゃんの人生はお腹の中ですでに始まっているということを表現したいと思いました。
 江月夫妻は年齢的にちょうど自分の親の世代です。物語を描くうえでは、両親から聞かせてもらった若いころの話や、私たちが生まれた世代、そして現在に至るまで、すべてが繋がっていることも意識しています。

━━これまで育児をテーマにした作品は手がけてこられなかったと思いますが、そもそも、なぜ、今、育児をテーマに描こうと思ったのでしょうか。
【タイム涼介さん】このマンガを描くまでは、子どもをもつということを経験しておらず、育児に意識が向いていなかったのだと思います。妻が妊娠して、急に街中で妊婦さんがたくさんいることに目が着き、その周りに子どもや育児の世界が存在しているのだということに、ようやく意識が向きました。

━━育児に不慣れな男性が奮闘するシーンも多々見受けられます。本作によって、意識が変わった男性もいるかもしれません。
【タイム涼介さん】性別に限らず、働く親御さんの育児参加に関しては、多くの人が可能な限り、頑張っていらっしゃると思います。このマンガをきっかけに、男性でも女性でも、子育ての楽しさや喜びを再発見していただけたとしたら嬉しく思います。
 私の職業はほとんど自宅ですることができます。それでもごくたまに、電車で仕事に向かい、仕事を終え、再び電車で帰宅することがあります。子どもが出迎えてくれれば元気も出ますし、嬉しいので、すぐに家族の戦力に復帰したいと思います。でも、同時に人間の気力には限界があると痛感しています。それってとても悔しいんですよね。自分が見届けられなかった子どもの成長が増えるたびに、もどかしさを感じます。育児に長い時間寄り添う側の過酷さも、関りきれない側の寂しさも、お互いが理解しあって、感謝しあって、子育ての喜びを共有できることを願います。

━━この先、江月一家はこれからどのような人生を歩んでいくのでしょうか。
【タイム涼介さん】現在連載中の『セブンティドリームズ』では、娘のみらいちゃんが5歳になり、自分の意見を持ち、両親や友人と関わっていくことになります。頼もしくもあり、新しい問題に直面することもあります。成長していく子どもをどう見守っていくべきか、自分自身も悩みながら描いていこうと思います。

━━コロナ禍で不安な毎日が続いていますが、現在の思いや今後の活動についてお聞かせください。
【タイム涼介さん】子育てや人生は、ときに困難な状況に陥ることもありますが、1つひとつ乗り越えるヒントを探しながら、作品を通して読者の皆さんと一緒に、日々の生活の中での喜びを再発見できたら嬉しく思います。皆様のご健康を心から願っております。

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