ハロ&ズゴックを、よりかわいくカッコよく “固定概念”を取り払う発想力「プラモデルという枠にとらわれず、ガンプラの可能性を広げる」
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 『ガンダム』と言えば、質実剛健なモビルスーツたちの印象が強いが、ハロやプチッガイなど、女性にも人気のかわいいマスコットキャラクター的な存在する。BANDAI SPIRITSホビー事業部が運営する「ガンプラ」を主体とした総合施設・ガンダムベース東京(THE GUNDAM BASE TOKYO)で、BBマイスターワカオとして講師を務めたり、SDガンダム BB戦士の魅力や情報を発信しているさのすけさん(@sanosuke_waka)は、両極ともいえるこれらのキャラクターに、常識にとらわれないカスタマイズを施し、発表している。

【写真】戦う兵士感満載…モデラ―・さのすけ氏制作「リアルタイプ 旧ザク01」

■「家に眠るプラモデルを作ろう」という企画がきっかけで

 コロナ禍で、“おうち時間”が増えた4月、5月、家に「積んであるガンプラ」(=積みプラ)を作ろうという企画のなかで生まれたのが、SNSでも話題になった「迷彩柄のズゴック」だった。

「もともと、BB戦士だけでなく、HGやMGも気になったMSをチョイスして作っていたんです。そんな折に、ガンダムベース東京から、毎週水曜に川口名人(=川口克己。BANDAI SPIRITS社員。玩具・模型の企画やプロモーションを担当しながら、ガンプラ普及に尽力)がマイスターユウキさんと一緒に配信している番組『すいプラ』があり、そのなかで川口名人が、家にいる時間が多いこの機会に「積んでいるガンプラがあれば作ろうよ」と企画を発案されました

 作った作品を「#すいプラ積みプラ」を付けて作品を投稿してもらい、それをガンダムベースのアカウントや、配信が再開したら同じ番組で、参加作品をピックアップして紹介するというものなのですが(既に作品の募集は終了)、日頃お世話になっている川口名人の企画ということで、自分も参加させていただきました。参考作品としてTwitterに早めに掲載できるよう、改造等はせず1週間位で制作しました。「みんなで積みプラチャレンジ」は制作に挑戦するとても良い機会になったと思います」(さのすけさん/以下同)

 迷彩柄に「シャーク・マウス」が特徴的なこのズゴック。この手本となるモデルを始めてみた40年前から「いつか作ってみたい」と“片思い”し続けてきたものだという。

「ガンプラブーム時、祖父が買ってくれたガンプラムック『SFプラモブック 機動戦士ガンダム』の載っていた、シャーク・マウスが描かれたズゴックをお手本に制作しました。川口名人の作例も載っている本で、自分の中でガンプラ制作のバイブルになっている1冊です。ガンプラブーム当時の熱さも感じる、ちょっと懐かしい雰囲気にできればと思い制作してみました。ムックで作例を見たときからずっと憧れ、40年近く作ってみたいと思い続けていたもの。子どもの頃に憧れたものに、大人になった今挑戦できるという喜びも感じながら作れたので楽しかったです」

「シャーク・マウス」と迷彩色以外は特に改造していないが、そこの2つには、こだわりを凝縮したという。

「自宅にあった積みプラの『MGシャア専用ズゴック』をベースにしたのですが、最終的に汚し仕上げにするので、迷彩で使用する4色の色味に注意しました。以前、代打でアシスタントをした『すいプラ』番組内で、リアルタイプ旧ザクを例に実演で川口名人に教えていただいた銀のドライブラシも駆使しています。「シャーク・マウス」は、まず胸部をホワイトで塗装。鋭角に細切れにしたマスキングテープを使用してマスク処理をしてからレッドを塗装しています。その後シャーク・マウス部分をマスキングして4色の迷彩を施しました。懐かしいという声や、お店のスタッフさんからも「かっこいい」と言ってもらえたのでうれしかったですね。「みんなで積みプラチャレンジ」企画に少しでもお役に立てたなら何よりかと思います」

■制作者が楽しむ その雰囲気が作品を通じて見る人に伝わる

 「シャーク・ズゴック」のような、硬派なガンダム好きもうなるような作品を発表する一方、同氏はその両極ともいえる『ハロ』『プチッガイ』という、『ガンプラ』の中でもキュートなキャラをベースにしたかわいい作品も発表している。制作のきっかけとなったのは、なんと「塗装の練習」だったという。

「『ハロプラ』(ハロのプラモデル)制作は、ガンダムベース東京のスタッフさんがきっかけでした。塗装の練習で、ハロを『機動戦士ガンダムSEED』に登場するイザーク・ジュールというキャラクター風にしてみたいというリクエストがあり、BBマイスターとして制作のサポートをさせていただきました。塗り分けて塗装してみると、予想以上にかわいいイザークが出来上がって喜んでもらえたことがうれしかったです。

 同じように、プチッガイを『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場したガエリオ・ボードウィン風にしたいというリクエストがあり、参考用にマクギリス・ファリドをモチーフに制作したこともきっかけになっています。

 ハロプラやプチッガイなら、『ガンプラ』初心者も気軽に挑戦できますし、好きなキャラクターをモチーフにすれば制作も楽しいかと思います。何より自分も作っていてすごく楽しいです」

 モビルスーツのガンダムと違い。シンプルでかわいい形状の“ハロプラ”。それゆえ、どのような形に仕上げるか、よく考えるという。

「ハロ、プチッガイどちらもシンプルな形状なので、いかにキャラクターの表情・服装といった特徴を落とし込むか、ですね。でもこれを考える時間が楽しいです。実際、キットだけでは表現しきれないので、プラ材やエポキシパテ、アッガイの腕パーツで髪の毛・服を追加したりしています。クワトロのサングラスは、もずくの容器を利用しています(笑)。

 塗装は、エアブラシを使用することが多く、Mr.クリスタルカラーとうパール系の塗料を使用することが多いです。角度によってキラキラと光彩が変化して、見ていて楽しい塗料です。エアブラシの練習をサポートするときも、塗った効果が分かりやすいのでサンプルとして使用することもおおいですね。「難しい」と思われがちな塗装を「楽しそう」と感じていただけたらと思い制作しています」

 MGHGなどのリアルタイプのガンプラと、このようなキュートなキャラ。両極ともふり幅の広いガンプラを制作しているわけだがそこには共通するある思いがあった。

「特に意識はしていないのですが、まずは制作する自分が楽しむことを心掛けています。制作者が楽しんで作っている作品は、見る人にも楽しい雰囲気が伝わる気がしていますので。自分も楽しくて、見た方にも楽しんでいただける、そんな作品づくりを目指してガンプラに向き合っています」

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