「原色人類」と呼ばれた元『egg』ガングロギャルがエステ経営者に、成功導いた“雑草魂”
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 ギャル雑誌『egg』の復活など、ギャルブームが再燃しつつある昨今。かつての“元ギャル”たちも、様々な分野で活躍している。読者モデル時代は「原色人類」という強烈なガングロギャルだった塩澤麻衣さんは、現在38歳。日焼けサロンのバイトに始まり、今ではサロンを経営する辣腕エステティシャンに。ギャル時代に培った雑草魂と信念で、開業資金はキャバクラで働いて溜めたという。塩澤さんが語る、仕事にも生きるギャルマインドとは?

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■ギャル時代は「原色人類」、いかに目立つかを求め自己プロデュース

――雑誌『egg』の読者モデルをしていた当時は、どんなギャルでしたか?

【塩澤麻衣さん】どうやったら目立つか、いかに個性を出すかということを頑張っていました。

――どのように個性を出していったんでしょう?

【塩澤麻衣さん】いろいろ自分で考えた結果、「原色人類」と名乗って、ガングロで原色の服を着るようにしたんです(笑)。ピンクとグリーンのように、反対色を組み合わせたら誌面で映えるのかなとか、目立つために自己プロデュースをしていましたね。

――てっきり、編集部からキャッチフレーズのように決められたのかと思っていました!

【塩澤麻衣さん】いえ、自分でなんとか目立てるように頑張った結果です(笑)。見た目はそんな感じでしたが、親と一緒に家族旅行にも行ったし、決められた門限もしっかり守るギャルだったんですよ。当時は放課後、渋谷に行くのが部活みたいなものでしたけど、ちゃんと学校にも行って卒業しました。なんと、ギャルですがエレクトーン教室も通って、ガングロで練習して弾いていました。(笑)

――真面目な女子高校生だったんですね。

【塩澤麻衣さん】そういうところは、ギャルは意外と真面目なんです(笑)。夏は海の家で住み込みバイトをしたんですが、売上ノルマを達成しないと夜は外出禁止だから、朝8時から頑張ったりして。

――今、当時の自分を振り返るとどう思いますか?

【塩澤麻衣さん】私は自己認証欲求が強いタイプでしたが、今思えばギャルだった頃に自己実現する力、どこでも生きていけるサバイバル力が培われたんだと思います。今は麻布十番で暮らしているけど、例えばバッグひとつでタイに行ってバリマッサージ留学に挑戦、一泊300円の宿にも泊まれるんですよ。そんな雑草魂がギャル時代に養われた気がしますね。

――そんな塩澤さんが、ギャルを卒業したきっかけは?

【塩澤麻衣さん】高校生の頃に日焼けサロンでバイトをしていて、そのオーナーが「エステで働いてみないか?」と言い出したんです。その流れで、私も次は美白の時代が来ると思って、エステかなと思い、美白に変身したのがきっかけですね。でも、エステを始めて一番苦戦したのが、敬語。「承知しました」「かしこまりました」も言えず、「お客様、どうぞおいでなさって」みたいな感じでしたから(笑)。これはまずいと思い、本を読みまくって、社長の奥様に日本語を教えていただきました。今も、社長と奥様のことは恩師だと思っています。

――実際にエステの仕事を始めてみて、いかがでした?

【塩澤麻衣さん】ギャルって、好きなことにとことんのめり込むんですよ。お客様を綺麗にする嬉しさもありますが、仕事をすること自体に喜びを感じて、自己価値や自尊心を高められたんです。それまで、心のどこかで「認められたい」と、自分の価値を探していたのでしょうね。もしかしたら、ギャルになったのもそれが理由かもしれないです。

――具体的に、どんなことが喜びだったんですか?

【塩澤麻衣さん】単純に、お客様を綺麗に導き、成績が上がることが楽しかったですね。「売上1位を獲りたい!」と思いながらずっと仕事をしていたら、勤めていた間はずっとNo.1でした。5年ほど頑張って、部下も100人くらいできました。

――それはすごい! No.1になりながら、その会社から独立して現在のお店を開業したんですよね(『ヒーリングオアシス』『美尻研究所』)。その理由は?

【塩澤麻衣さん】読者モデルをしていたことで、色々な大人の方と出会って、社会の仕組みを知りまして。いつしか、「雇われるより雇う側になれる能力を身に着けたい」と思うようになりました(笑)。

■開業資金はキャバクラで稼ぐ、ギャル時代に学んだ「自分でレールを敷く」こと

――とはいえ、自分のお店を開くには苦労もあったのでは?

【塩澤麻衣さん】両親を説得して、2年間だけ六本木のキャバクラで働いたんです。実家から通ってたんですが、そこで開業資金の1000万円を貯めました。

――2年で1000万円はすごいですね!

【塩澤麻衣さん】周りで、出資者の方にお金を出してもらったけど、そのあと苦労しているモデルたちをたくさん見てきました。だから、自分のお金で開業したかったんですね。キャバクラ時代も、一時は指名がたくさんついて成績が良くても、浮き沈みは激しくて。エステのときのように、10人くらいの女の子とチームになって、みんなで助け合って働きました。

――そこまでするには、「絶対に開業する!」という強い気持ちが必要だったと思います。その意志の強さはもともと持っていた?

【塩澤麻衣さん】いえ、10代の頃、ギャルになるって決めたとき、強くなれたんだと思います。それが“自分”というものができた瞬間。誰かが敷いてくれたレールに乗るのではなく、自分でレールを敷くことができるようになったんだと思います。そして中途半端なギャルでなく、「黒さを極めるてやるぞ!」って心に決めたのも覚えています。

――塩澤さんのほかにも、今では多方面で活躍している元ギャルは多いです。ギャルならではの成功の秘訣、みたいなものはあるんでしょうか?

【塩澤麻衣さん】ギャルは素直なんですよ。見た目は派手だけど、心は真面目。怒られたらすぐ反省して、「どうしよう」って考える。ウソをつかず、がむしゃらに頑張って、カッコ悪いところも見せられるんです。プライドが低いことは、自分の非を認めてやり直せるという意味で、仕事をする上ではプラスになるのかもしれないですね。

――現在はエステサロンを経営している塩澤さんですが、一番のやりがいは?

【塩澤麻衣さん】自分が思い描く夢が叶えられるのが、最高に幸せです。例えば商品を開発するときも、自分の作りたいものが実現して形になる。お客さんのニーズを聞いて、「これがあったら喜んでもらえるかな」と考えて、それが実現する。その喜び以上のものはないですね。

――エステティシャンとして、塩澤さんの個性とは?

【塩澤麻衣さん】“心のケアができるエステティシャン”ということですかね。会社を辞めてエステティシャンしていたときから、心理学もできるエステティシャンになりたくて、勉強して心理カウンセラーの資格を取ったんです。やっぱり、外側だけじゃなく、内面が美しい人が素敵だと思うので。悩んでいると心もお肌も乱れるので、心も体もケアしましょうと提案しています。

――以前は『egg』で、ギャルの心理を分析する連載を担当してたんですよね? ギャル心理に精通した塩澤さんから見て、現在のギャルに感じることは?

【塩澤麻衣さん】今のギャルはSNSで繋がれるから、渋谷に行かなくていいらしいです。時代の変化ではあるけれど、渋谷に入り浸っていた私たちの頃を思うと(笑)、少し淋しさもありますね。あとは、物欲も含めて、欲求が低い気がしていて。それは、大人が夢を抱かせてあげなかったせいなのかな、と思います。私たちの頃は安室ちゃんがいて、あゆがいて…ゼロから上がっていけるっていう希望がありました。今の子たちにも、夢を持って欲しいと思います。あ! でも最近はユーチューバーというのがありますね!

――最後に、元ギャルとしてメッセージをお願いします。

【塩澤麻衣さん】ギャルがブームになると、世の中が明るくなって景気もよくなるような気がするので(笑)。またギャルが流行って欲しいと思います!

(文:佐久間裕子)

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