ソニン20周年 恩師つんく♂との17年ぶりタッグに感慨「つんく♂歌唱や法則は根付いている」
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 女優のソニンが2000年10月18日にEE JUMPのメインボーカルとしてデビューしてからまもなく芸能活動20周年を迎える。「こんなに続けられるとは想像もしていなかった」と語る大きな節目に、本人たっての希望で“恩師”のつんく♂に楽曲提供を依頼し、当時大きな話題を呼んだソロ1stシングル「カレーライスの女」(2002年)のアンサーソング「ずっとそばにいてね。」が完成した。マツコ・デラックスが愛する「最後の1行だけ希望がある歌」の“あれから”を歌うことになったソニンに、つんく♂との17年ぶり再タッグを中心に聞いた。

【写真】裸エプロンで話題となった「カレーライスの女」続編の新曲ジャケット

◆SPEEDに憧れ、17歳でスピードデビュー「ジェットコースターのよう」

――昨年のデビュー19周年記念ライブでは、SPEEDの「ALIVE」を披露されました。SPEEDのコンサートを観たことがきっかけで芸能界を目指したと話されていましたが、何に心を動かされ、どのような歌手になることを夢見ていたのでしょうか。

【ソニン】当時私はSPEEDのメンバーと同世代だったんです。家と学校を行き来するだけの生活だった私にとって、同世代のSPEEDさんがキラキラした別世界で多くの人たちを熱狂させていることがカルチャーショックでした。それまで芸能界に入りたいと思っていたわけではなかったのですが、SPEEDさんのコンサートを見てから、こういうふうに人に感動を届けられる人になりたいと思うようになりました。歌うことも踊ることも好きだったので、最初に夢見たのは“歌って踊れる”歌手でした。

――つんく♂プロデュースのEE JUMPでデビューしたのが17歳ですから、ものすごいスピードで夢をかなえたんですね。

【ソニン】16歳で上京して、芸能界のことも全然わからないままデビューして、名前を知られるようになって、本当にジェットコースターのようでした。用意された箱に乗っかっているだけで、気づいたらものすごいスピードでいろいろ変わっていく。そんな感覚は覚えていますね。

――そのジェットコースターに乗って、2002年8月に「カレーライスの女」で本格的にソロデビューされました。“裸エプロン”のジャケット写真やMVの衣装でも大きな反響を呼びましたが、当時の率直な気持ちを聞かせてください。

【ソニン】それまでは元気な格好をしていることが多かったので、“需要あるのかな?”と思っていました。“この曲にこのジャケットでいいんですか?”と(笑)。でも、いまだに名前を知っていてくださる方がいるというのは、あれだけ話題性のある曲、売り方をしてサポートしてもらえたからだと、今では心底思います。

――「カレーライスの女」はアイドルのソロデビュー曲とは思えないほど悲壮感漂う楽曲ですが、この曲が好きだと公言されてきたマツコ・デラックスさんは、ソニンさんが出演した昨年12月放送の『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で「最後の1行だけ希望がある歌」とおっしゃっていましたね。

【ソニン】“なんでカレーライスなんだろう”と思うほど、歌詞には一切出てこないですし、上京して失恋した女性が闇に入るだけではなく、希望を持たせる1行を最後に持ってきたのもすごく粋ですよね。マツコさんをはじめ、今でも「好きなんです」と言ってくださる方が多くて、ここまで愛される曲になるとは当時は想像もしていなかったです。

◆大きな節目につんく♂さんの新曲を歌いたかった

――その「カレーライスの女」のアンサーソング「ずっとそばにいてね。」を10月14日にリリースされます。ソニンさんたっての希望でつんく♂さんに楽曲提供をお願いしたそうですね。

【ソニン】はい。20周年ということで何か特別なことができないかと話し合うなかで、CDを出すのはどうか、という案が出てきました。今までの楽曲から何曲か選曲してもう一度歌い直してミニアルバムにするか、ミュージカルの歌も入れた2枚組にするかなど、いろんな案が出てくるなかで、やっぱり新曲を入れようとなりました。

どなたに書いていただくのか、私自身が作詞作曲することも含めて考えましたが、私はつんく♂さんの楽曲でデビューして知ってもらえるようになったので、この20周年の大きな節目に、つんく♂さんに書いていただいた新曲を歌いたかった。そこからつんく♂さんへの交渉が始まりました。

「カレーライスの女」は私の代表曲なので、そのアンサーソングにしたいという希望をお伝えして、つんく♂さんやスタッフさんとのメールのやりとりを何往復もしました。カレーライスの女が私と同じように時を経て、30代になっていたらどうなっているのか。“最後の1行の希望”の先でどれだけ成長したか。かつ、30~40代の女性が「幸せと思って生きているけど、どこかたまに切ないときもあるよね」「わかる」と共感してもらえるような感じも出るといいなと思いますとリクエストしました。

つんく♂さんの熱い想いがこもったメールもいただき、本当にお父さんのように、親目線で愛情を持って私のことを見守ってくださっていたんだなというありがたみもかみしめながら、ギリギリまでやりとりしてここまでたどりついた感じです。

◆“つんく♂歌唱”や“法則”は私の中に根付いている

――キャリアの始まりでもあるつんく♂さんからの提供曲を歌うことで感じたこと、発見などはありましたか?

【ソニン】歌詞を見て、言葉の選び方が本当につんく♂さんらしいなと思いました。私がすごく気に入っているポイントは、「ずっと元気にしてたよ あれから」の「あれから」という言葉。「あれから」の基準は聴く人によってそれぞれ違いますよね。聴く人が主人公で、その人の「あれから」になる。私のファンの方や昔を知っている方にとっても、どの「あれから」を想像するかによって感じ方が変わってくると思うんですね。いろんな意味合いを想像できる歌になったかなと思います。

それと、つんく♂さんが意図していたのか偶然なのかは聞いていないのですが、今のコロナ禍にすごくフィットする曲だなと感じました。一緒にいられなかったからこその人とのつながりの大切さが、この時期にすごくリンクしていて。心の距離的に「そばにいてね」と思う気持ちが今の時代にあうな、“あ、すごい”って思いました。

――CDシングルのリリースは、実に15年ぶりです。これまでキャリアを積まれてきたミュージカルとは全く歌い方が異なると思いますが、今回のレコーディングのために準備したこと、意識された点は?

【ソニン】この曲は“どJ-POP”で、デモテープもいわゆる“つんく♂歌唱”と呼ばれる独特な歌い方だったんですね。どこまでデモに近づけて歌えばいいかをつんく♂さんに質問したんですが、デモテープを聴いて私が感じ取った歌い方でいいとのことでした。つんく♂さんの楽曲の“法則”のようなものは私の中に根付いていますし、それを全く出さずに歌うのでは意味がない。かと言って、昔のように歌うのも違うかなと。

最後まで歌い方を悩みましたし、いろんなテイクを録りましたが、つんく♂さんから学んだ歌唱法を活かしつつ、歳を重ねて大人になったことを、膜を1枚張ったようなニュアンスで表現しました。ちょっとしたポイントは残しつつ、いい具合にハイブリッドな感じで歌いました(笑)。

――ミュージカルでキャリアを積まれてきても、つんく♂さんの指導は染み付いているものなんですね。

【ソニン】それはありますね。レコーディングにはつんく♂さんプロデュース時代にお世話になっていたスタッフさんが来てくださったので、リズムや裏(拍)の取り方など伝統の方法を確認しながら進めました。「ここはやっぱり16分音符の4番目で取ったほうがいいですよね?」とか「ミックスはどれくらいにします?」といったやり取りをしながら、いろんなことを思い出して懐かしかったです。

◆「カレーライスの女」2020年版は「泣けてきちゃいました」

――カップリングには、当時のソニンさんの歌声を使用した「カレーライスの女“2020 Remix”」も収録されます。このリミックスバージョンを聴かれて、どのように感じましたか?

【ソニン】正直、泣きそうになりました。かわいそうすぎて(笑)。歌詞の世界観もそうですけど、19歳当時の幼い私の声が、こんなに傷を負ってたんだと…。今こうやって話していても泣きそうですけど、傷つきすぎてるというか、ちょっと泣けてきちゃいました。

オススメの聴き方なんですが、「ずっとそばにいてね。」を聴いて、「カレーライスの女」のリミックスを聴いて、もう一回「ずっとそばにいてね。」を聴くと、うっすら“カレーライスの女”が見えるというか…。あの子も成長したんだなというのが見えたら、より楽しめるんじゃないかと思います。2曲を行ったり来たりしてみてください。そうすると、また違った見え方や聴こえ方がすると思います。

◆20周年記念ライブはレア曲満載「ソニンコレクション」に

――そして、デビュー日の10月18日に20周年記念ライブ『20th ANNIVERSARY LIVE「Cheers.」』(東京・日本橋三井ホール)を控えています。どのような内容になりそうですか。

【ソニン】デビュー20周年という特別な節目の記念日なので、これまでの私の曲も、ミュージカルでやってきた曲も、両方たっぷり歌って、「ソニンコレクション」のようなライブにするつもりです。今までは自分の曲ではないカバーも歌ったりしていましたが、今回はソニンの歴史を振り返ることができるように、ほぼ自曲で構成しています。

昔から応援してくださっている方も興奮するような、ほとんどライブで歌ってこなかったような歌、10数年歌ってこなかった歌も歌いたいと思いますし、権利の関係であまり歌えないようなミュージカルの曲も、今回なんとか許諾を得ることができました。この20周年ライブの1回しか聴けないような、スペシャルな選曲で構成します。

ゲストもスペシャルで、私がソウルメイトと感じている2人、中川晃教さん(昼公演)と濱田めぐみさん(夜公演)をお迎えします。このコラボレーションもすごく貴重なものになると思いますので、楽しみにしていただきたいです。

――これまでのキャリア一言で表現すると、どんな20年でしたでしょうか?

【ソニン】難しいですね…「一言では表せない」が一言になってしまいます。20年も経ったのかという気もしますし、20年しか経ってないのかという感じもします。これから先20年と考えると想像できないですし、よく続けてこられたなと思います。こんなに続けられるなんて想像もしていなかったです。最初は紆余曲折ありましたが、自分の境遇ってラッキーだなと思うことも多かったので、出会いとチャンスに恵まれた20年だったと思います。

――今後挑戦してみたいこと、目指している理想像などがあれば教えてください。

【ソニン】表現活動だけではなく、もっと幅広く、人のため、世の中のためになるようなことができたらと思っています。具体的には、去年から事務所の後輩を対象に演劇のワークショップを開いているんですが、メンタルケアも含めて、同業者だからこそサポートできることもあると思うんです。

ステイホーム期間中には心理学の勉強をして、初級の資格を取ったりもしました。そういった勉強をすることで自分の助けにもなりますし、周りのサポートにもなるかなと思って。私にだったら相談できるかも、アドバイスをもらえるかも、と思ってもらえるようになれたらうれしいですし、直接的ではなくても、私の姿を見て頑張ろうという気持ちになるような存在になれたら理想的ですね。

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