ブラック企業で突然死したサラリーマンが美少女アイドルに転生、「おっさんの妄想と元アイドルの経験を込めて」
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 ブラック企業に務めるアラフォーサラリーマンが、「美少女に生まれていたら、きっと人生スーパーイージーモードだったのに」と言い残して突然倒れてしまう。そして、気づくと美少女アイドルに転生し、サラリーマンの経験を生かしながら地下アイドルとして奮闘する漫画『アラフォーリーマンのシンデレラ転生』が話題だ。読者から「話の展開が好みです」「絵がかわいいし内容も面白い」などのコメントが寄せられている。原作者で元“男装アイドル”でもある原田まりるさんと、作画者の荒木宰さん に作品に込めた思いを聞いた。

【漫画】冴えない四十路男が美少女に転生⁉ 驚きのビフォーアフター

■作者は元アイドル「おじさんが描いているかと思った、と言われると嬉しいです」 

――仕事も彼女もさっぱり、ぱっとしない四十路のサラリーマンを主人公にした理由はなぜですか?

【原田】男性が生まれて初めて「俺可愛い......!」という気持ちを味わいまくる話にしたかったので普段「俺可愛い!」とあまり思っていなさそうな人を選びました。

――そんなアラフォーサラリーマンの主人公は突然死をしてしまいますが、「定員オーバーで天国行きが順番待ち」となります。「ひとまず天国に空きが出るまでの間、美少女アイドルに転生する」というアイデアはどうやって考えたのですか?

【原田】死んだらみんな天国に…ではなく、死後も競争社会があるように描くことで、「より世知辛さが出るかな?」という、いじわるな思考で書きました(笑)。

――読者からのコメントで印象的だったものはどのようなものですか?

【原田】「おっさんの妄想だね」 とか「おじさんが描いてるかと思った」というコメントです。 (おじさんの気持ちを)うまく擬態できているようで嬉しいですね!

――漫画やアニメで「転生」は人気のテーマですが、描く上で差別化した部分は?

【原田】男性向けは『環境だけが変わったそのままの自分』でスタートするものが多いですが、女性向けは『容姿も家柄も変わった全く新しい他人』に転生するものがスタンダードのように思います。つまり、男性向けは自分のままで勝負をしたくて、女性向けは自分ではないスペックで無双をしたい、という意識の表れがあるんだと思います。その辺りを織り交ぜてみました。

――原田さんと主人公には共通点はありますか?

【原田】20代前半は“男装アイドル”として活動をしていました。アイドル時代の自分の経験と、この作品の中のアイドルたちの活動には共通する点もあります。

――具体的には?

【原田】ダンスが死ぬほど苦手だったところは共通しますね(笑)。ダンスは運動神経とはあまり関係なくて、リズム感の有無と深く関係すると先生に言われたのが印象的でした。メトロノームに合わせて、その場でジャンプを繰り返すというリズム感をつけるような練習をやっていました。一方、相違点は、「8割以上が女性ファンだったので、『どう可愛く見せるか?』ではなく『どうかっこよく見せるか』を追求してました。

――この作品にはご自身の経験も活かされているのですね。作品で伝えたいことは?

【原田】美少女たちだって『人生イージーモードではない』ということですかね(笑)。

――それは一部の男性の妄想だと?

【原田】男性が周囲から『可愛いねぇ』って言われまくるのって、幼少期以降はあまりないと思うんです。なので、ファンから『可愛い可愛い』と褒められる状況は、ある種、男性性からの解放でもあると思っています。いきなり無双はできなくても、心のつながりを通じてメンバーから頼られたり、尊敬されたり、可愛がられたりする心地よさを、読者の方に味わってもらいたいと思っています!

――転生した姿はまさに日本の王道アイドル、といった人物像です。 一方、所作で「会社につかれたおじさん」姿が現れていますが、こだわったところは?

【作画、荒木宰】転生なつかのビジュアルに関しては、森倉先生が素晴らしく可愛いデザインをされているので、そのイメージを損なわないように気をつけています。リーマンなつかは、はっきり顔を描かないことで、読者の方々が『こいつは俺だ』と感情移入しやすくなればいいなと思っています(特に会社員生活で疲弊している人々に…)。

――原田さんと荒木さん、それぞれのお気に入りシーンを教えてください。

【原田】なつかがエッチなサンプル動画を見ていたところをゆうゆに見つかり、ネチネチ言葉責めで追い詰められるシーンが好きです(笑)。精神的なSMっぽいやりとりが上手く2人の関係性にはまっていて、読んでいて楽しかったです。

【荒木】2巻17、18話の、ゆうゆがなつかに意地悪をするシーンが好きです。作画もただただ楽しく、永遠に続いてほしいとさえ思いました。あとは、毎回の扉絵は迷いながらも楽しく描かせていただいています。フルカラー連載の中で、一番時間を取ってデザインしたり塗りこんだりできるのが扉絵なので、毎話それぞれに愛着があります。

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