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人生を豊かにするライフハック本を多数発表してきた経済評論家の勝間和代氏。発達障害の傾向があることを公表している彼女だが、最新の著書『自由もお金も手に入る!勝間式超スローライフ』(KADOKAWA)でも、ロジカルに考え抜かれた仕事術や料理、健康管理といった自身の実践で「しっかり稼ぐ」と「穏やかに暮らす」を両立させた自宅快適ライフを紹介している。自身の特性を理解しながら手に入れたストレスフリーなライフスタイルには、すべての人が変化を余儀なくされるアフターコロナ時代を幸福に生きるためのヒントが詰まっている。
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■コロナ禍での働き方、リモートワークをサボらない秘訣は?
──本書はいつ頃から、どんなきっかけで書き始められたのですか?
「執筆を始めたのは昨年の4月、ちょうど緊急事態宣言が発令された頃ですね。私自身はそれ以前から自宅で過ごす時間が長く、自宅快適ライフを徹底して整備してきたこともあって、出版社の方から『これからの時代を生きるヒントとして書いてみませんか?』とお声がけいただいたのがきっかけでした」
──コロナ以前から、お仕事もリモートワークが中心だったとか。ご苦労はなかったですか?
「現在は安価に活用できるテクノロジーやサービスが十分に揃っていますから、まったくなかったですね。多くの会社でも非合理的だとわかっていながら昔からの慣習で"なんとなく"続けてきたことは多かったと思うんですよ。それこそ出勤も感染症のリスクはもちろん、移動コスト、環境負荷、都市と地方の格差などさまざまな弊害を生んできたわけですから」
──リモートだとついサボってしまう、という悩みを抱える人も多いようですが。
「サボるという概念が良くないんですよ。出社を含めて8時間かかっていたことが3時間で終われば、残り5時間は好きに使っていい。そういう思考になれば、自分にとってどんな方法が向いているかわかりますよね。また、経営者や管理職は、従業員がタスクを終えても次の仕事を渡さないことが重要です。従業員に働き方や時間の使い方の裁量権を与えることで、生産性は格段に上がります」
──本書で触れられていますが、勝間さんがお仕事をしているリビングには20台の端末があるとか。
「パソコン3台、スマホ3台、タブレット6台などがあります。端末も最近はずいぶん安くなりましたしね。この環境はあくまで私にとっての最適解だったわけで、誰しもが当てはまるとは思いません。ただ『初期設定にお金と時間を投資することで、その後の運用を楽にする』という思考そのものは、すべての方に通じると思います」
──自分にとっての最適解を見つける上で、重要なプロセスとはなんでしょうか?
「自分の特性を知ることは大事ですね。たとえば私は軽度の発達障害の特性として注意欠陥の傾向があるんです。そのため、しょっちゅうモノにぶつかったり、転んだり、モノをなくしたりするんですね。それが自分の大前提だとわかっているため、スマホは片方なくしても大丈夫なように常に2台持ち歩いています。買い物もなるべくネットで。ログが残るので、ダブって買ってしまうこともずいぶんなくなりました」
──発達障害の診断に悩む人もいますが、自分の特性を知れば対処もできるという前向きな捉え方をされているわけですね。
「勘違いされている方も多いんですが、発達障害というのはいわゆる"障害"ではなく、脳の配線が平均よりも偏りがあるだけ。偏りや度合いは人それぞれで、私は軽度なので投薬は必要ないのですが、診断で必要とされたら投薬治療は積極的に受けたほうがいいと思います」
■「発達障害の薬を飲んでいるということを言えないという風潮は変」
──それも自分の体の特性を知り、快適に保つための対処であると。
「そうですね。ちなみに私は10歳のときに盲腸を患って以来、右側の腸がうまく機能していないため、自然排便は一生厳しいと診断されました。そのため、過酸化マグネシウムを毎日飲んでいるんですね。数年前にすごくいい先生に出会えたことで腸内環境がさらに改善され、余計なことでイライラしなくなりました」
──最近、勝間さんの雰囲気が柔らかくなったのは腸内環境のおかげだったんですね。
「人間、お腹の具合が悪いとイライラしがちですからね。──というふうに、腸の治療や投薬をしていることは大きな声で言えるのに、発達障害の薬を飲んでいるということを言えないという風潮は変だと思うんですよ」
──発達障害の認識もアップデートさせていかなければいけないですね。
「発達障害の傾向がある人は意外と多くて、人口の2割くらいと言われているんです。そして、良くも悪くも現状の環境に適応できなかったからこそ、その人たちはイノベーションを起こしてきたんです。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツにもその傾向があると言われていますが、発達障害のないイノベーターを探すほうが難しいのではないでしょうか」
──勝間さん自身も、ご自身のADHDの特性が奏功したと思い当たることはありますか?
「私には注意欠陥の傾向があるんですが、それは常に考え事をしているからなんです。その表裏として、どうやら物事にとらわれない発想をするみたいなんですね。以前、『クイズ・ソモサン・セッパ!』(フジテレビ系)という発想系のクイズが山ほど出る番組でグランドチャンピオンになったことがあるんですけど、『なんで答えがわかるの?』と聞かれても、わかるからわかるとしか言えないんです(笑)。それと同じことで、モノをなくすのも『なくすからなくす』だけ。それに適応したライフスタイルを構築すればストレスはありません」
──自分に適したライフスタイルを構築するためには、まず何から始めることをオススメされますか?
「困ってることがあったら、どんどん質問しましょう。Google検索なども優秀ですから、話し言葉で質問すれば関連記事がずらっと出てきます。友人との雑談ではもちろん、SNSでもどんどんアドバイスを求めればいいんですよ。SNSに不安を感じる人もいるかもしれませんが、もしも変なことを言う人がいたら、すかさずブロックです。変な人が向こうから歩いて来たら、ぶつからないようによけるじゃないですか。それと同じことです。世の中の98%はまともな人であって、2%のおかしな人にストレスを感じるのは損ですよ(笑)」
(文:児玉澄子)