“オモ写”カメラマンが「全集中」で描く『鬼滅の刃』の世界「大好きな作品の大好きなシーンを再現したい」
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 今やSNSのハッシュタグとしてすっかり定着した「オモ写」(=おもちゃの写真の略)。さまざまなキャラクターのフィギュア画像を使った個性豊かな作品が公開されているが、昨今、大流行中の漫画『鬼滅の刃』をモチーフにした作品が増えている。主にスターウォーズのオモ写を手掛けてきたyamahobbyさん(@yamahoby)、仮面ライダーを扱ってきたまんぼう星人さん(@manbowsjn)も同作の「オモ写」を発表。2人が『鬼滅の刃』の「オモ写」を始めた理由とは?

【オモ写】かすがいガラスの止まらない伝令に「もう分かったから…」 前向きな表情で次の場所へと向かう竈門炭治郎

■制作者にとっても試練?凍えながら撮影した“雪岩”に挑む炭治郎(yamahobby)

――『鬼滅の刃』のフィギュアを使った作品を始めたきっかけは?

【yamahobby】『鬼滅の刃』の作品を本格的に撮り始めたのは、昨年12月に発売された「BUZZmod.竈門炭治郎」のアクションフィギュアを購入してから。3年ほど前に「オモ写」の名付け親でもあるホットケノービさんという方の写真を見たのがきっかけで「オモ写」を本格的に撮り始めたのですが、『鬼滅の刃』に限らず、大好きな作品の大好きなシーンを再現したいというのが、撮影を始めた動機の一つです。

――『鬼滅の刃』では“雪岩に挑むシーン”を切り取ったオモ写が非常に美しく印象的でした。

【yamahobby】ありがとうございます。あれは「全集中の呼吸」というタイトルで制作しました。本来は主人公・竈門炭治郎が鬼殺隊に入る前の修行中の最後の試練として大岩を切るというワンシーンなので、フィギュアとは服装が若干異なるのですが、大好きなシーンだったので絶対に撮りたいと思っていました。
 当初は巨岩を発泡スチロールで作ろうと思っていたんですが、家の除雪をしていた時に「素晴らしい素材が目の前に広がってるじゃないか!」と思い立ち、すぐに撮り始めました(笑)。

――なるほど。まさに雪国ならではですね。この作品を作る際にこだわったところ、一番苦労した部分をそれぞれお教えください。

【yamahobby】ひと目で「あのシーンだ」と分かるようなアングルとフィギュアのポージングに気をつけて撮りました。完全な再現ではなく「よく見たら岩じゃなくて雪玉を切ってる!」って気付いて貰えるように適度に雪玉感も残したつもりです。苦労したところは、撮る場所ですね。

――撮る場所?

【yamahobby】ええ。雪玉の周りには、枝を雪面に刺して森に見立てているんですけど、倒れたり、刺す場所を間違えると雪が凹んでしまって。何度も場所を移動して、最終的に行き着いたのが玄関前の使わなくなったプランターの上でした(笑)。

――そんな苦労の末、生み出した作品の反響はいかがでしたか?

【yamahobby】『鬼滅の刃』には何度か雪のシーンもでてくるので、「本物の雪を使って撮れるのは羨ましい!」と言われました。これは北国に住む人間の特権ですかね(笑)ただスピーディーに撮らないと、心底寒くて凍えます(汗)。あと何人かから『雪見だいふく切ってるのかと思った』って言われました(笑)。

――そう言われると、『雪見だいふく』に見えてきますね(笑)。『鬼滅の刃』シリーズの「オモ写」は今後も制作予定ですか?

【yamahobby】はい。炭治郎は妹思い、仲間思いの熱い青年なので、早くほかのキャラクターと絡めた写真を撮りたいと思っています。馬鹿なやり取りでワイワイしている姿も良いし、鬼との死闘の様子も…。妄想ばかりが浮かんでまだ「コレ!」という具体的なアイデアはないんですが、これからも撮り続けたいと思っています。

――yamahobbyさんが思う「オモ写」の魅力とはどんなところでしょうか?

【yamahobby】自分が思い描くシーンを自由に作る事ができるというところですかね。自分自身が楽しむというのを忘れずに制作し、出来上がった作品を世界の人と共有して、そこからいろいろな会話が生まれる…最高の趣味だと思います。
 理想は、1枚の写真だけでその前後のストーリーを感じられる作品。そんな写真が撮れるように、と日々、これからも意識しながら作業していきたいと思います。

■“あの技”の水の動きを撮影するのが難しかった(まんぼう星人)

――「オモ写」を始めたきっかけは?

【まんぼう星人】3年くらい前に「友人に買ったフィギュアを自慢したい」と思ったことですね。その想いだけで活動を始めるようになりました。

――随分手の込んだ自慢の仕方を選びましたね(笑)。『仮面ライダー』などのフィギュアを使った「オモ写」を発表されていますが、そのアイデアはどんなところから浮かんでくるのでしょうか?

【まんぼう星人】日常生活の中で浮かんでくる事が多いです。仕事中にアイデアが浮かんだり、何気ない会話からヒントをもらってます。小道具も100均などに行くと、ついつい「何か使えるものは無いかな」と探してしまう自分がいます。撮影場所も、日常生活の移動中に「この公園使えるかも」と、なんとなく探してしまいます。

――そんななか、『鬼滅の刃』の「オモ写」を発表されました。始められたきっかけは?

【まんぼう星人】「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開がきっかけですね。ただご存知の通り、同作は空前の大ブームを巻き起こしてます。すでにほかの方も『鬼滅の刃』を題材にオモ写を撮影していたので、なるべく“同じような写真にならないように”と差異化を意識していました。

――なるほど。特に炭治郎が青空を背景に「技」を繰り出す姿が新鮮でした。

【まんぼう星人】アニメでは、鬼との闘いの中で技を繰り出します。鬼の活動は夜なのですが、スマホで夜、水の動きを撮影するのは難しいので、昼間になってしまいました。どうしても躍動感のある水の動きを撮影したかったので…。水の動きが思ったように出なかったところが1番苦労しました。

――撮影する上で気を付けていること、大切にしていることはありますか?

【まんぼう星人】これは、『鬼滅の刃』だけでなく全作品に言えることですが、子どもの頃に、オモチャで遊んでいた時と同じ感覚を大事にしながら、たくさん想像して楽しく撮影しています。そうすると、キャラクターのイメージに沿わないような、新たな表情もいい意味で勝手に作ることができますし、それが自然とストレス発散にも繋がっているような気がします。

――素晴らしい趣味ですね。

【まんぼう星人】ありがとうございます。あと、撮影はスマホで行っているのですが、「子どもの頃に遊んでいたオモチャのカッコいい・かわいいシーンが、高価な機材や撮影テクニック・合成加工などしなくても、誰でも手軽に写真に残すことが出来るんだよ」ということが伝わってくれたらうれしいですね。

――最後に、次に作りたいと思っている「オモ写」作品の構想があればお教えください。

【まんぼう星人】そうですね…。『鬼滅の刃』ファンの方に怒られる事を覚悟して、あのキャラクターにイメージとは真反対の事をさせてみたいです(笑)。でもそれこそが本当の意味で「オモ写」の醍醐味なのかなと思いますね。

文/中山洋平

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