岡田准一、“弟子兼友達”平手友梨奈の葛藤に共感「クオリティが高いものを作れないと満足できない」
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 俳優の岡田准一(40)が主演する映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』が6月18日に公開される。2019年6月公開の前作から約2年を経て、“殺さない殺し屋”のファブルが帰ってくる。強じんな肉体と何事にも動じない天才的殺し屋を再び演じる岡田が、よりパワーアップしたアクションシーンへの手応えのほか、「『ファブル』は敵役が重要」という岡田が、今作で対峙する最狂の男・宇津帆を演じる堤真一、そして宇津帆と行動をともにする車椅子の少女・ヒナコ役の平手友梨奈との共演についても語ってくれた。

【写真】スタッフと真剣な表情で話し合う岡田准一

 今作は“今一番面白いマンガ”と称され、累計800万部を記録する同名のコミックを実写化。天才的な殺し屋として裏社会で恐れられる殺し屋・通称“ファブル”は、ボスから「誰も殺すな。普通に暮らせ」と命じられ、佐藤アキラという偽名で相棒のヨウコ(木村文乃)と兄妹のふりをして暮らしているがまたも騒動に巻き込まれることに…。

 今回の敵キャラも前作に続き強烈だ。表向きはNPO団体「子供たちを危険から守る」NPO団体の代表だが裏の顔をもち、前作の敵たちを上回る最狂の男としてファブルの前に立ちはだかる宇津帆(堤)が暗躍。すご腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)と、4年前のある事件で恨みをもつ因縁の敵・ファブルへの復讐に燃える。一方、ファブルは過去の事件で救えなかった車椅子の少女・ヒナコと再会し、想像もつかぬ大騒動へと発展していく。

 まず表情一つ変えないファブルのキャラは顕在ながら、今作ではヒナコや宇津帆との関わりを通して“人間らしさ”を見せていくことも注目ポイントだ。「アキラはズレている人ですが、少しずつ人間の感情を取り戻していきます。その一歩目としてヒナコと宇津帆が大事に描かれているんです。ファブルを演じる上では大事な今作になります。アキラの浮き世離れぶりやズレを楽しんだり、アクション部分も面白い映画ではありますが、アキラが少しだけ人間らしさを取り戻している部分が前作より多くなるのでその部分も注目です」。

 アクションに並々ならぬ思いを持つからこそ「アクションを作るのであればちゃんとしたストーリーがなければ、中身のない箱をつくっているようなもの」と説く。今作では「堤さんが敵役を演じてくださったり、平手さんも迫真の演技で演じてくださったりしましたが、『ファブル』はやはり敵役が重要。正直僕の役柄はそんなに面白くありません。浮世離れしていなければいけないし、存在自体が変で面白くはありますが、やっぱり敵キャラが重要になってきます」。

 堤といえば、映画『フライ,ダディ,フライ』をはじめ、『SP』シリーズ、映画『海賊とよばれた男』など岡田と数々の共演歴を持つ。今作では宇津帆として恐ろしい裏の顔を見事、怪演している。「堤さんはずっとお世話になっている役者さん。僕の大事な作品の時はいつも側にいてくださいます。今回、役として現場で仲良く話をさせていただくような間柄ではないんですが、画に映った時の相性が良いと勝手に思っていて、そういう方がいるのは僕にとって宝物です。」と全幅の信頼を置く。

 そして哀しい過去を持つ少女を演じた平手は、ファブルや宇津帆に対して揺れ動く感情を巧みな表情の変化で魅せた。「とても面白い方で、才能も豊か。でもすごくネガティブでそこが面白いです。アイドル出身という事で境遇が同じなので彼女が今悩んでいることや思っていることがなんとなく理解でき、自分が『売れたい』というよりもクオリティが高いものを作れないと満足できないタイプだと思うんです。そういった意味でも共感できますし、今後が楽しみな方だなと。魅力的な方だと思います」と寄り添うからこそ、今後に期待する思いが強い。

 実際の現場では「師匠と弟子みたいに慕ってくれているし“弟子兼友達”なので僕のことを『おかっち』って呼ぶし、僕はお父さんみたいな存在で『ご飯食べなよ』とか言ったり、これからも頑張ってほしいなと」このような関係性を築いた。「若いので、いろんなことを抱えて爆発しそうなものを一生懸命に抑え込んでいる女の子。二十何歳かになった時に力になれていたらいいな、と思います。一生懸命話しかけてくれたり、話を聞いたりしてくれていたのでそういう方が堤さんとお芝居しているのは素敵なことだなと思いますね」と温かく見守っている。
 

■飽くなきアクションへの挑戦心 “超人”のイメージ作り「俺、怪我しないから」

 「ヒナコや宇津帆とのドラマシーン、アクション、コメディ。3つの現場をやっているようです。アクションを撮影している時はクレイジーな現場で、ストーリーの時は芝居をしっかりやろうという感じですし、(アキラが働く)“オクトパス”のシーンは佐藤二朗さんが面白いことをやってくださればいい…みたいな(笑)」とそれぞれ撮影に充実感をみせる。今作では“ファイトコレオグラファー”として自分のみならず木村など共演者のアクションの構成も担当した。

 全体を通しても「そんなに難しかったものはない」と言い切るが冒頭、駐車場を使った場面ではド派手なカーアクションも披露。「日本映画の中では、今までできていなかったことができたのではないでしょうか。大きなアクションでも、そこにストーリー性があって、どう撮りたいか構築した上で作り上げました。せりふのように、会話するように、アクションが行われていくのが理想です。監督やスタッフの方々と相談して皆さんと真剣に考えて、現状でできることの一歩、二歩先ということを意識して、枠をどう広げていくのかとチャレンジできたことは大きかったと思います」と自信を見せた。

 岡田自身、カリ、ジークンドー、USA修斗といった武術や格闘技を習得。俳優業の中でもアクションという部分では特に、最前線で道を切り拓いてきた。「普通の役者さんが安全性を考慮して数カットしか撮れないところを僕は倍以上のカットを撮ることができると自負しています。それは、経験によって、できる・できないの判断ができるから。例えば、自分ができると判断することができれば、もっと『スピードを上げて欲しい』とかGOをだせる。そういう信頼があればやりやすいですよね。

 ギリギリを攻めるよりもリミッターを周りがどう外させるか。安全面を考慮するとどうしても縮小傾向にあるので『大丈夫、俺、けがしないから』という安心感を周りに与え、超人かのように思われないと、現場ではチャレンジできないと思います。そういうイメージ作りはしています。あの人は超人だからできるよ、くらいのイメージ作りをすれば現場は動いてくださいます」というスタッフへの対応によって、より印象的なアクションシーンを作り上げた。

 これまで「今のところ、怖い、危ないと思ったことはありません」と胸を張る。「とは言ってもアクション監督は安全面をすごく意識してくださっていて、変なところで滑って転ばない限り、けがをしないように安全を保ってくださいますし、自分でも回避できるので、そういう意味で高さ十数メートルの足場の上を飛び越えたりもしましたけど、安全帯があるので滑っても、そのままぶら下がるくらい。今の状況ではあれギリギリだったな、ということはないですね。無茶はしてますけど(笑)。けがをしたことはないです」と言い切った。

 新型コロナウイルスでの延期を経ていよいよ公開を迎える今作。「2作目を制作するのあれば、チャレンジをしていきたいと思っていました。撮影が終わってみて、自分なりのチャレンジが出来たと思えた現場だったので、出来上がりが楽しみです」と飽くなき挑戦心を持って臨んだ。手に汗握るアクション、芝居合戦に圧倒される人間ドラマ、そして思わず脱力するゆるい笑いの詰まったコメディと3つの要素で楽しめる作品となっている。

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