「絵は口ほどに物を言う…?」SNSに抱く“安心”と“不安”を表現したイラストに反響
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 「安定剤」とだけ書かれ投稿されたイラストに23万以上のいいねがついた。作者は大学生のイラストレーター・空蝉らりさん。SNSに対して多くの人が抱く“安心感”と“不安感”を多く語らずに表現しているイラストに共感が集まった。このような風刺イラストの“毎日投稿”を続けている空蝉らりさんに、恐怖と皮肉の詰まった作品をアップする理由を聞いてみた。

【画像】「日常生活からの非常口…?」気づくと背筋がゾワゾワ…生死や社畜など描く、空蝉らりさんの“風刺”イラスト

■一見“ポップ”、よくみると“シリアス”“エグみ”を感じる作品にこだわり

――「安定剤」と書かれたイラストがTwitter上でたくさんのいいねを集めていましたね。まずはたくさんの反応を集めた感想をお願いします。

空蝉らり こんなにも多くの人に見てもらえるとは微塵も想像してなかったので大きな驚きと喜びで飛び跳ねました。このイラストを見てくれた方や、反応をしてくれた方、私をフォローまでしてくれた方、すべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。

――この作品はどんな思いで描かれたのでしょうか?

空蝉らり 私自身SNSで活動しているので、いろんな方のSNSへの接し方を見ています。SNSを心の拠り所としている方や、反対にSNSに没頭しすぎて心が荒んでいるなど…それらを見ている中で、イメージが浮かびました。そんな高尚な想いなどないですが、そのイメージを表現しようと思いました。

――SNSに依存してしまう人もいるし、その結果疲れてしまう人もいますよね。注意喚起の意味もあったかと思うのですが、空蝉さんが実際に「SNSで疲れたな」と思うこともありますか?

空蝉らり 基本的にはそう思うことはないです。でも、今回Twitterで多くの注目をいただいたときは、止まらない通知で嬉しい悲鳴という類いの気疲れがありました。突然のことだったのでキャパオーバーというか。ただ、今後の活動に大きくプラスになる心地よい疲れでした。

――社会風刺的な作品が多いですが、このような作品を描こうと思ったきっかけはあるのでしょうか?

空蝉らり なにかを訴えかけるようなものが好きなので、昔からこのようなテイストのイラストを描いていました。そうなったきっかけは音楽だったと思います。特に、SEKAI NO OWARIさんのポップなメロディーに、シリアスな歌詞を載せている楽曲に魅せられました。そのとき掴んだ感覚から「見てくれはポップだけど、内容はシリアスでエグみある社会風刺のような作品」を描くようになったと思います。

■4ヵ月続ける毎日投稿…「寝てる時以外ずっとイラストのことを考えています」

――Twitterはおもしろネタがバズることが多いですが、この作風でSNSに投稿してみようと思った理由はありますか?

空蝉らり おもしろネタがバズることが多いですが、逆に言えば比較的ブルーオーシャンで楽しそうだなと思ったからです。なんとなくですが、このような作風のイラストも需要があると感じていました。

――このようにメッセージ性のあるテーマを1枚の絵で表現することの楽しさを教えてください。

空蝉らり 言葉遊びにも似ているところがあるので、自分の頭の中にある要素を一枚のイラストにきれいに仕舞い込めた時に、ニヤニヤするほど気持ち良いところですね。あと、コメントや引用リツイートでそれぞれの解釈を伝えてくれる方がいるのですが、自分の意図してない解釈があると自分のイラストに新しい発見をすることができるのがおもしろいです。

――なるほど。SNSならではのコミュニケーションや発見ですね。また、毎日作品を発表していますが、大変ではないですか?

空蝉らり 毎日投稿をし始めて4ヵ月ちょっと経ちましたが、とても大変です。でもだんだん習慣になってきて、最近は描かなきゃ気持ち悪さを感じるようになりました。

――ただ描くだけではない大変さがありそうです。ひとつの作品にかける時間はどのくらいですか?

空蝉らり 長く温めたイメージや、その日ぱっと思いついたイメージなどあるのでかかる時間はピンキリですが、イメージを考えている時間が1番長いです。もう寝てる時以外ずっとイラストのことを考えていますね。投稿が毎日なので。イメージはテーマに沿ったいろいろな要素を頭の中で“転がす”感じです。言語化しにくいですけど、転がして、いろいろ組み合わせていく感じです。分かりづらいですね。そこから実際にイメージを形にする作業が早くて3時間、長くても6時間のうちに一枚描きあげるようにしています。

――本当に長い時間をかけて作り上げているんですね。ちなみに、今後描こうと思っているテーマのストックは、どれくらいあるんですか?

空蝉らり まだイメージを練る必要があるストックは、20個程、「イメージも構図も決まっていて、あとは描くだけ」というストックは大体いつも5個くらいあります。あとは描くだけのストックは多い時で7、8個で、少ない時は0個です。0個の時はメモ帳から一個テーマを引っ張り出して急いで練り上げます。残念なことに、これがよくあります。

――現在大学生とのことですが、イラスト活動はいつからしているのでしょうか?

空蝉らり 高校卒業のころに、今のような作風でアナログのイラストを描き、SNSにアップしていたのですが、あまり長くは続かなかったんです。“見せたい”と思うようなものが描けていなかったのかもしれないですね。SNSに載せずに絵の練習を続けて、3年経った今年の3月に、「もう一回本気でやってみよう」と思って活動を再開したので、実質イラスト活動歴は4ヵ月とちょっとです。

――毎日投稿は大変だと思いますが、長く続けていけること、ますますのご活躍を期待しています! また、空蝉らりさんとして今後の目標はありますか?

空蝉らり まだたった4ヵ月という活動ですが、日に日に見てくれる方が増えてくれているのがすごくうれしいんです。今後の目標は、私のイラストのルーツでもある音楽にイラストで携わることです。最近は、音楽のアートワークやMVなどをイラストレーターさんが描くことも増えてきていると感じるので、その一員になれたら幸せだなぁと思っています。

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