みちょぱ、ギャル枠“短命説”に風穴 「見た目だけギャル」な清廉性で令和のギャップ落ち
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 益若つばさ、小森純、木下優樹菜、鈴木奈々、ゆきぽよ…。これまで数々のギャルタレントが活躍してきたが、その入れ替わりは激しく、限られた座席だ。そんな中、今年の上半期だけで239番組に出演しているのが、みちょぱこと池田美優。特定のポーズやキャッチフレーズ、目立ったブレイクポイントがあったわけではないが、2015年にバラエティ番組で「カリスマモデル四天王」と紹介されて以来、じわじわと人気を伸ばし、これまでのギャルタレントとは一線を画した安定感を見せている。みちょぱは他のギャル達と何が違うのか。

【表紙】大胆美ボディを惜しげもなく… ワンピース・ナミのコスプレをしたみちょぱ

■「ギャルはおバカ」文化作った平成ギャルからの「ギャルだけど頭いい」ギャップ創出

 昨年の『テレビ番組出演本数ランキング』(ニホンモニター調べ)によれば、みちょぱは331番組に出演。帯番組を持つ近藤春菜、新井恵理那、ホラン千秋に次いで、帯出演なくして女性タレント4位にランクインした。今年の上半期は出演ペースがさらに加速し、全タレントで5位にランクイン(239本)している。

 主な出演番組は『突然ですが占ってもいいですか?』(MC)、『櫻井・有吉THE夜会』(ひな壇)、『スッキリ』(コメンテーター)と、マルチ能力を発揮しており、昨年放送の『アメトーーク!』の「実はみちょぱスゴイぞ芸人」でも、「若者枠、女性の紅一点枠、モデル枠、コメント枠、リアクション枠、おバカ枠、毒舌、ヒール枠、すべてを兼ね備えてる」と、かまいたち・山内ら男性陣ほか、オアシズ・大久保佳代子にも「ノリがちょうどいい。転がしている感を見せずにアシストができる」と絶賛されていた。

 益若、若槻、鈴木奈々など、平成ギャルはおバカさや破天荒エピソードなどが“ギャルっぽさ”として求められていたが、最近は若槻も“ご意見番”ポジションをとっているように、令和ギャルは「ギャルだけど頭いい」ギャップが求められている。実際、みちょぱはじめ、藤田ニコル、ゆきぽよもきちんと自分の意見を主張し、“ギャルだけど”賢さを節々で見せている印象だ。中でもみちょぱは、今年に入って『スッキリ』のコメンテーターを担当。滝川クリステルがMCを務める教養バラエティ『教えてもらう前と後』でもレギュラーを獲得した。

■「ギャルだから破天荒でもしょうがない」が許されない時代、熱愛発覚で好感度上昇

 加えて、木下優樹菜、ゆきぽよのように交友関係やプライベートで問題があると瞬時に敬遠される傾向もある。そんな中、みちょぱは今年3月、大倉士門と5年半交際していたことが発覚。「実力でテレビに出たい」という思いから熱愛をネタにしたくなかったため、交際を隠していたことや結婚も視野に入れていることを明かした。さらに、ここで週刊誌が大倉を「ヒモ男」のように報じると、みちょぱはこれをスルーしなかった。『サンデー・ジャポン』出演時、「めちゃくちゃ勘違いされている。そういうのは1番嫌いなタイプなんで、そこだけ勘違いしないであげてほしい。自分で働いていますし、本当にかわいそう」と堂々と擁護。「“ギャルだけど”真面目」のギャップで、さらなる好感度を伸ばした。

 また、みちょぱは、“ギャルだけど”礼儀正しい。これまでのギャルと言えばタメ語の印象もあるが、彼女はきちんと敬語を使う。また、収録前は早めにスタジオに入り、出演者に1人1人挨拶。収録後はスタジオに共演者の方々が残っていたら、絶対に一番最後に出ると過去インタビューで語っている。プライベートでのだらしなさをしきりに披露したり、大胆な露出のグラビア写真集を出版するギャル系タレントがいる中、みちょぱはグラビアNG。そんなギャップも、ほかのギャルたちと一線を画す理由かもしれない。

 みちょぱ自身も「人って見た目から入るから『怖い』とかすごいビビられるんだけど、ちょっとでも箸がちゃんと持てたりするだけで『あっ、箸持てるんだ』とか、ハードルが低いから(高感度が)上がっていくしかない。もしできなくても『見た目通りだな』ってなるのでマイナスにもならない」「あいさつしただけで優しいって言われた、敬語が使えるだけですごーいって、人として当たり前のことができるだけで、本当プラスになっていく」などのギャルのギャップの優位性を語っている。少女漫画などで、荒くれ者の不良が雨の中で捨てられた濡れた子犬をあやすだけで“いい人”に見える…“いい人”のハードルが下がってしまう、いわゆる“不良に子犬”理論を自身で理解しながら見事に体現しているのだ。

■ギャルの“いいとこどり”? 時代にフィットした「媚びない賢さ」発揮で1強状態に

 平成ギャルに求められたような「おバカキャラ」や「破天荒っぷり」はあまり感じさせず、彼女のギャル要素は“見た目”だけなのかと思えてくる。しかしもう1つ言えるのが、「何者にも媚びない」姿勢を貫いていることだ。ギャルと言えば、男に媚びる“モテ”重視なコンサバ系と真逆のベクトルで成長してきたカテゴリー。みちょぱの、賢く礼儀正しいながらに何者にも媚びない姿勢はまさにギャルメンタルと言える。

 2017年放送『ロンドンハーツ』の一般女性100人が選ぶ“好きな女性芸能人ランキング”企画で、みちょぱは30人中28位だった。「爪がイヤだ」「ちょっと毒舌すぎる」「ギャル卒業したほうがいい」などの理由が挙げられたが、本人は放送後、「18歳~50歳の人気がほしいがためにギャルはやめないし、毒舌?なのもなおす気はないです笑」とツイート。「それでこそみちょぱ」「ぶれないみちょぱが大好き」などの声が多く寄せられた。ちなみに当時の1位は木下優樹菜、2位藤田ニコル、5位近藤千尋、15位ダレノガレ明美、19位鈴木奈々、21位熊田曜子。4年経った今、媚びない強さを見せたみちょぱが、いまや彼女らの人気を凌駕していると言えるのではないだろうか。

 そもそもみちょぱが人気ギャル雑誌『Popteen』で頭角を現したのも、“ぶれなさ”ゆえだったようだ。15歳にして先輩モデルたちを差し置いて表紙を飾った理由をこう語っている。「当時は黒髪ブームや清楚ブームがギャルの中にもきていたんだけど、私だけ“THEギャル”なスタイルを貫いていたから目立っていたのは確か。好きなことしかやりたくなかったからブームに乗ってスタイルを変えるつもりは全然なくて」

 また、今年6月に『さんま御殿』に出演した際には、嫌な仕事も必死にやってきたという大久保佳代子に対し「生きていくために嫌なことするなら死にたい」「心霊系のロケNGとか、虫食べるのダメ、すっぴんとかもNGだし、結構NG(の仕事)多いですよ」と告白。その理由について「自分に無理してやるよりは、適してる人がやればいいと思うんですよ。その方が面白くなるし、求められる反応をしてくれる」と説明。自身の個性や役割をきちんと理解して上で仕事を選ぶというスタンスに、さんまも「正解」と太鼓判を押していた。

 これまでのバラドルといえば、すすんで前に出るがっつき姿勢や「NGなし」の汎用性が求められていたように思うが、みちょぱのこの媚びないギャルメンタルこそが「個性重視」な令和時代にフィットしているのかもしれない。やはり無理をしていたのか、おバカキャラや体当たり芸を見せていた多くのギャルタレントが長続きしなかったことを考えると、みちょぱのスタンスは、やはり「正解」と言えるのかもしれない。

 かつて出演した『俺の持論』(テレビ朝日系)では「ギャルの先輩とかと語ってて、ギャルってなんだろうねって話したときに、やっぱマインドだよね」という結論に至ったと話していたみちょぱ。媚びないギャルマインドを持ちつつ、礼儀正しさや賢さ、機転の良さで見事に周囲を“ギャップ落ち”させる…そんな彼女が入れ替わりの激しいギャルタレント枠で、初の“殿堂入り”を見せてくれるか、期待したい。


(文=衣輪晋一)

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