藤井フミヤ、デビュー35周年 歌の力を信じて「行けるところまで」
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 歌手の藤井フミヤ(56)が、2018年9月でデビュー35周年、ソロデビュー25周年を迎えるのを記念して、ベストアルバム『FUMIYA FUJII ANNIVERSARY BEST “25/35” L盤 & R盤』をリリースした。ソロデビューシングル「TRUE LOVE」(1993年)から最新アルバム『大人ロック』(2016年)までの全277楽曲の中から、ファンによるリクエスト投票の結果、上位100曲を『L盤』(ポニーキャニオン)と『R盤』(ソニー・ミュージックダイレクト)にそれぞれ50曲ずつ収録。9月22日から全国を巡るアニバーサリーツアーも控える、今の心境を聞いた。

【写真】ジャケットも2作を並べてフミヤの顔が完成する仕様

――デビュー35周年、ソロデビュー25周年ですね。

【藤井】さすがに、長いことやってきたな、と思うね。昭和、平成、来年年号が変わるから、3時代を駆け抜けることになるなぁ。音楽メディアもレコード、カセットテープ、CD、データと、激動だよね。この35年で言えば、一番の変化をもたらしたものは、携帯電話とインターネットだと思う。この2つがないと、もはや恋愛できないでしょう。俺らが若い頃は、恋人との一番楽しかった思い出は誰にも知られたくない、って思っていたけど、いまはネットに「アップ」して、「シェア」する時代だからね。

――激動の中で、「TRUE LOVE」のような変わらない名曲を持っているというのが、フミヤさんの強みだと思いますが…。ドラマ『あすなろ白書』(1993年)の主題歌としてミリオンセラーの大ヒットになり、いまだに結婚式でも人気のラブソングの定番です。

【藤井】そう、1枚目にしてソロの代表曲ができたのはありがたかった。あれが売れるのと売れないのとでは大違いだったと思う。だから、人生において一番お世話になった曲が「TRUE LOVE」。これはいろんなところで何度も言っていることなんだけど、俺の出棺の時にかける曲は「TRUE LOVE」でって。もう一つ挙げるなら「涙のリクエスト」(チェッカーズの2ndシングル・1984年)だね。チェッカーズがブレークしたきっかけは、デビュー曲の「ギザギザハートの子守唄」ではなく、「涙のリクエスト」だったから。

――そのようなヒット曲にも恵まれて、35年音楽活動を続ける中で、危機的なものはあったんでしょうか?

【藤井】愛知万博(2005年)で名古屋市のパビリオンのプロデュースをやらせてもらって、それが終わった頃が一番の悩みどころだったかな。もともとクリエイティブなことをしたいという思いがすごくあったから、音楽以外の選択肢もあるなって。音楽は好きだったけど、ミュージシャンになりたくてバンドをやっていたわけでもなかった。たまたまコンテストで受賞してデビューの話があった時も、音楽で売れてやるというより、東京に行けるってことが一番だったし。

――迷っていた時期があったなんて、意外でした。

【藤井】そりゃ、35年もやっていればいろいろあるよ(笑)。でも、40代になって、自分の中で「俺、ヤバイかもって」って思ったんだよね。いろいろ手を出しすぎて、このままだとどれも中途半端に終わるんじゃないかって。結局一番、長く続いているのは歌だし、人より優れているって思えるのは歌しかない、と思って。俺は歌で生きていくぞって決めた。それから歌手・藤井フミヤがブレなくなった。10年くらい前のことだけど、あの時ちゃんと音楽に戻れたのが、自分の人生としてはよかった。

――フミヤさんにとって歌、音楽のどんなところに魅力を感じるのでしょうか?

【藤井】短いところかなぁ。3分から5分くらいで人を感動させることができる。ちょっとしたタイムマシンみたいなところもあるじゃない? 昔、聴いていた音楽が、当時の記憶を思い出させるとか。それに、何度も繰り返して聴ける。今はYou Tubeをはじめネットでいろんな音楽に触れられるし、いい曲だな、好きだな、と思ったら1曲ごとにダウンロードして、スマートフォンの中に何曲も入れて、持ち歩くことができる。ビジュアル的には完全におじさんだけど、「いい歌だな」と思ってダウンロードした曲がたまたま藤井フミヤの曲だったみたいな形で聴いてもらえる可能性も広がった。時代が変わっても、人の心をとらえる歌は歌い継がれていくし、そういう音楽を作りたいと思えるところが一番面白いんじゃないかなぁ。

――35周年をこれから迎えるところですが、その先について考えていることはありますか?

【藤井】昔は50歳で引退すると思っていたんだけどね(笑)。50歳になった時に、全然引退するような年齢じゃないんだなってことがわかった。55歳になって、まだ引退はないな、と思った。周りの人たち、ファンのおかげでここまでやってくることができた。こうなったら、行けるところまで行ってみよう、という気持ちはある。先のことはわからないけれど、ステージに立って歌える限り、歌い続ける。それは間違いないね。

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