綾野剛、『ハゲタカ』第2部をプレイバック解説
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 俳優の綾野剛が、主演するテレビ朝日系木曜ドラマ『ハゲタカ』(毎週木曜 後9:00)の第2部(第4話~第6話)について、印象的だった3シーンを振り返る談話を発表した。

【写真】『ハゲタカ』第2部の名場面

 同ドラマは、綾野が “企業買収”のスペシャリスト・鷲津政彦にふんし、「ハゲタカ」とバッシングを受けながらも日本の名門企業を次々と買収し、再生していく様を描く。今月30日放送回から、第3部(最終章)がスタート。2018年を舞台に、原作小説でも描かれていない現代の鷲津が登場。原作者・真山仁氏監修のもと、ドラマ完全オリジナルのストーリーが展開していく。

■高嶋政伸から感じた“同じニオイ”

 第6話の冒頭は高嶋政伸さん演じる滝本社長の土下座シーンからスタートしました。まさに“滝本劇場”の幕開けだったわけですが、鷲津が初めて滝本に本気を出させてしまった瞬間でもありました。

 思い返すと僕自身の中で一番強烈だったのは、第4話、「日本ルネッサンス機構のパーティーで、滝本と初めて会ったシーン」でした。通常、人が近寄ってくるとその気配を察するものですが、滝本は突然横にスッ、と来た。鷲津のパーソナルスペースに簡単に侵入してきた…。その瞬間に、鷲津は滝本に対して同じニオイを嗅ぎ取ったのだと思います。「情報収集と迅速な行動がビジネスの要」――これまでに鷲津たちがやってきたやり方と同じような手段をとる滝本。だからこそ、敵に回したら厄介なことになるという予感は、あのときからあったのではないでしょうか。

 しかし、そこで焦燥感を覚えながらも、冷静に対応したところに、第1部とは違う、鷲津の成長があったように思いました。“情念や怒り”だけでは、この国では戦えない、ということを知らしめられ、それを悟っている鷲津の姿。第1部のときよりも広い視野で、この国のために何ができるのか? 日本という国を再生させていくためにはどうしたらいいのか、ということを大局的に捉えている姿だったのだと思います。たまたま『あけぼの』という企業を巡って、敵同士であったふたりですが、立場が違えばそれなりの関係を築けていたのかもしれないとも感じました。

■現場にこそ「未来」がある!と痛感した“あけぼの”買収劇

 「あけぼの」のレーダー開発部の技術者たち、そして彼らを率いる中尾部長の姿は印象的でした。技術者というのは、常に未来に向かっています。その姿勢を貫く中尾部長を菅原大吉さんがとても魅力的に佇まれていました。寝る間も惜しんで会社のために技術を磨き、病気に倒れた後もなお、諦めずに会社のことを思う現場の人々の“力”を強く感じました。

 会議室でフカフカの椅子に座りながらではなく、現場で従業員をしっかり見つめている――そんなリーダーの姿に、確かな“未来”があると鷲津を通して思ったんです。菅原さんが演じられた中尾部長によってそれを痛切に感じさせられました。

■第2部のラスト、鷲津の史上最も深い一礼の意味とは!?

 竜雷太さんが演じられた「あけぼの」の新見会長は象徴。鷲津と新見会長はたった一度しか顔を合わせない。第6話のラストシーン。そこで2人は初めて相対します。バブル期以前から崩壊後、そして現在まで、大企業とその社員たち、ご家族を背負ってきた偉大な経営者の佇まいを、あのとき鷲津は強く感じたと思います。

 そして激動の時代を必死に戦い抜いてきたひとりの人への礼節として、鷲津は深く頭を下げました。あれだけ鷲津が深く礼をするのは、このドラマの中であのシーンが初めてだったように思います。役職を言わず“新見さん”と呼んだ事にも、鷲津なりの新見元会長に対する人間的姿勢。それだけの敬意を持って対面したのではないでしょうか。

 しかしその後は、新見会長を一瞥することもなくまっすぐ前を見据えて歩き去っていく――その姿勢に、鷲津の「まだまだ自分にはやるべきことがある」という強い意思が表れていました。

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