ぐんま絹遺産 節目の100件へ 「旧新町紡績所」など3件を答申
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国内最初の官営屑糸紡績工場として開業した旧新町紡績所(県提供)

 ぐんま絹遺産推進委員会(高木賢委員長)は9日、国重要文化財で国史跡の「旧新町紡績所」(高崎市)など3件の「ぐんま絹遺産」への登録を適当と認める答申をした。群馬県が近く正式決定し、登録は節目の100件に達する。2020年春の大型観光企画、群馬デスティネーションキャンペーン(DC)は世界文化遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」を開催テーマに盛り込んでおり、ぐんま絹遺産などとも連動させた“絹の国”の情報発信に弾みが付く格好だ。

 答申されたのは旧新町紡績所のほか、世界文化遺産「荒船風穴」が操業していた際の事務所「春秋館跡」(下仁田町)、養蚕の守護神として祭られた「正円寺の馬鳴菩薩めみょうぼさつ像と馬鳴堂」(沼田市)。

 旧新町紡績所は1877年、国内最初の官営くず糸紡績工場として開業し、製糸場から出る大量の屑繭糸からつむぎ糸を製造した。西洋と日本の技術を併用した木造建築が特長で、工場や本館などがほぼ完全な形で残っている。2015年に国重文・史跡に指定された。

 その歴史的、文化的価値を「富岡製糸場は金閣寺、新町紡績所は銀閣寺」との表現で評価する専門家もいる。世界文化遺産への追加認定を望む声も根強くあるが、クラシエフーズ新町工場内にあり、一般公開はしていない。

 春秋館は1901~38年ごろまで営業し、全国から集まった蚕種の事務手続きが行われていた。江戸時代の寛永年間に開山した正円寺の馬鳴菩薩像は高さ23.5センチの木像で、伏せた白馬に乗った赤い衣装の菩薩が表現されている。

 県庁で9日開かれた第8回委員会で、入内島敏彦県企画部長は「群馬DCを活用し、1人でも多くの人に絹遺産に足を運んでもらえるよう取り組みたい」とあいさつし、100件到達を契機とする地域振興に期待感をにじませた。

 県内に点在する絹関連文化財の価値を見直し、ネットワーク化して保存活用しようと、県は市町村から推薦のあった物件をぐんま絹遺産として登録している。

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