未来のプログラマー 思考競う ぐんまプログラミングアワード
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フィナーレでステージに勢ぞろいする受賞者ら=ベイシア文化ホール
キッズウオーカー・サイクロプスに試乗し大喜びする子ども
来場者でにぎわう企業ブース

 プログラミング力のコンテスト「ぐんまプログラミングアワード(GPA)2019」(上毛新聞社主催)の最終審査が23日、前橋市のベイシア文化ホールで開かれ、ファイナリスト43組78人が発想力や思考力を競った。ジュニア、アプリケーション(アプリ)、テクニカルの3部門で審査し、最高賞のMVP・総務大臣賞にはアプリ部門優勝の「AICalendar(エイアイカレンダー)」の高田幹さん、松崎千帆さん、田部井沙樹さん(共愛学園前橋国際大3年)が輝いた。テクニカル部門は「I」の伊佐碩恭ひろたかさん(東京大2年)が3連覇した。

 アプリ部門はアプリのアイデアや商品力、テクニカル部門はプログラミング問題の正答数と解答の早さを争った。県内の小中学生がゲームなどのソフトのアイデアを競ったジュニア部門では、「チームT」の狩野紬君(太田宝泉南小4年)が優勝した。

 MVPは情報通信技術(ICT)が急速に発展している中国・上海へのツアーを獲得。各部門の優秀者には協賛社などから特別賞が贈られた。3回目の今回は、アプリ部門に50歳以上が対象のマスターコースも設けられた。

 会場の様子はインターネットで中継され、約6万件視聴された。「初音ミク」などボーカロイドのプロデューサーとして知られる八王子Pさんや、渋川市出身のシンガー・ソングライター、さとう麻衣さんのライブが会場を盛り上げ、協賛各社の技術を紹介するブースが彩りを添えた。

 審査員は元総務事務次官の桜井俊電通執行役員とクライムの金井修社長、NPO法人みんなのコードの利根川裕太代表理事、共同通信社の鈴木維一郎情報技術局次長、ウェブディノジャパンの瀧田佐登子代表理事、上毛新聞社の内山充社長の6人が務めた。

◎「発想力すごい」…プログラマーの卵に熱いまなざし

 プログラミング力のコンテスト「ぐんまプログラミングアワード(GPA)2019」が開かれた23日、会場となった前橋市のベイシア文化ホールには行政機関や企業関係者らが集まり、次世代を担うプログラマーの卵たちに熱いまなざしを向けた。

 笠原寛県教育長は「発表の内容やプレゼンテーションの技術は毎年向上している」と評価する。2020年度のプログラミング教育必修化を控え「GPAのような大会は学びの目標となり、教育現場に良い刺激を与えてくれる」と語った。

 ロボットプログラミング教室を運営するソフトウエア開発のアイエムエス(前橋市)の尾高一秀社長(49)は「高い技術はもちろん、面白いアイデアやプレゼンテーション能力に目を引かれた」とレベルの高さに驚く。幼い頃からプログラミングを学ぶメリットについて「チャレンジ精神や論理的思考力が養える」と指摘する。

 GPAに注目する全国の地方新聞社13社も視察に訪れた。

 神戸新聞社取締役・パートナー本部長事業担当の門野隆弘さん(60)は、「2度目だが、内容が多様になり、プログラミングが浸透してきたように感じた」と話す。開催を検討中で、「プログラミング教育も必修となる。人材育成を側面から支援できればいい」としている。

 プログラミングへの関心は高く、児童や保護者ら一般客が詰め掛けた。

 「みんなの発想力がすごい」と驚きの表情を見せたのは、高崎大類小5年の清水和君(11)。プログラミングに興味を持ち始めているという富岡小2年の大井秀真君(8)は「いろんなアイデアを知れて面白かった」と話していた。

 小学5年の長男と来場した、伊勢崎市の男性は「子どもがプログラミングを習っている。今のうちに身に付けておけば子どもの将来が広がるのでは」と期待していた。

◎中2の大気さん「次は優勝」…テクニカル部門最年少出場

 プログラミング問題の正答数と解答スピードを競うテクニカル部門。伊佐碩恭さん(東京大2年)の3連覇で沸く一方、中高生の活躍も光った。

 埼玉県立伊奈学園中2年の大気周也さんは、同部門の歴代最年少出場者。今大会は過去2回に比べ特に難易度が高かったが、大気さんは12問中2問正解し、3点を獲得した。「解けた問題以外は難しくて」と悔しそうな表情を見せたものの、すぐに「今度は優勝したい」と力を込めた。

 中学入学後、母から学び始めたプログラミング歴は2年だが、問題を解いたり、アプリを作ったりして楽しめる魅力にはまっている。「もっと多くの言語を習得したい」と意欲を見せた。

 桐朋高(東京都)2年の福間遼太郎さんは、伊佐さんに5点差と迫る健闘を見せ、堂々の2位に輝いた。それでも、「高校生でも強い選手はたくさんいる」といたってクール。「受験勉強が始まる前に、いろいろな大会に挑戦したい」と気持ちを切り替えていた。

◎中高年 斬新アイデア アプリ部門で小山さんと伊藤さん奨励賞

 今回新設されたアプリケーション部門のマスターコース(50歳以上)には小山博さん(70)=前橋市、伊藤義明さん(52)=横浜市=の2人が出場し、ともに奨励賞を受賞した。

 小山さんの発表テーマは「納豆の発酵制御システムのIoT」。納豆製造において4段階の発酵状況のデータなどを管理者にメールで送信。その情報を基に管理者は、携帯電話から工場内のパソコンにリモート接続して遠隔操作での対応が可能になる。支援先の業者での実用化を目指している。

 小山さんは初参戦について「チャレンジのつもりで出場した。若い人たちと同じ場に立てて、勇気をもらい幸せな気分になれた」と満足そうだった。

 一方、伊藤さんはズボンのチャックの閉め忘れを携帯電話の着信で知らせてくれるというユニークなベルトを紹介し、自ら実演して会場の笑いを誘った。これまでも数多くのプログラミング大会に出場しているが「子どもたちをはじめ、この大会のレベルの高さには驚いた」と興奮気味に振り返った。


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