ダムの歴史を思い 地元有志「チームやんば」が語り部ツアー開催
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
語り部の説明を聞きながら現場を見学する参加者

 本年度末に完成予定の八ツ場ダム(群馬県長野原町)を核に地域を盛り上げようと活動する地元有志の団体「チームやんば」(樋田省三代表)は17日、八ツ場語り部ツアーを初めて開いた。観光客にダム建設の歴史や、住民の思いを知ってもらうことで、新たなつながりを創出する。

 川原湯地区に住む樋田淳一郎さん(92)、篠原ヒサさん(89)、竹内武子さん(72)の3人が語り部を務め、県内外から参加した約10人に昔の温泉街や400年以上続く湯かけ祭りなどについて語った。篠原さんは「昭和の中頃は芸者がいっぱいでにぎやかだった」と懐かしんだ。樋田さんは「移転し、これからどうするかが一番の悩み。今ある魅力を生かしてにぎやかにしていきたい」と話した。

 現場見学会では、建設途中の町道「川原湯温泉幹線街路」を訪れ、水没予定地の旧川原湯温泉街を見て回った。語り部の3人が、かつて旅館があった場所や源泉の位置を解説。竹内さんが「移転のお祝いをしようとした時に、『建設中止』が決まった。すごくがっかりした」と当時の心境を語ると、参加者たちは真剣に耳を傾けていた。

 初めて八ツ場ダムを訪れた細川仁一さん(78)と妻の滋子さん(77)=栃木県小山市=は「きれいな景色がなくなり、住んでいた人のことを思うと寂しいが、みんな前向きに頑張っている。ダムが完成したらまた訪れたい」と話していた。

 樋田代表は「国が主体のやんばツアーズには多くの人が訪れている。その魅力を引き継いで地元の活性化につなげたい」と話す。ツアーは今後も継続する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事