《「影踏み」密着 7》期待 地元が撮影隊支援
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
撮影の合間、スタッフらに手作りカレーを振る舞う「影踏み応援隊」のメンバー=昨年5月、旧中之条西中

■地域情報
 映画「影踏み」のロケが終盤に差し掛かった昨年6月、前橋市の前橋中央通り商店街で、主演の山崎まさよしさんと恋人役の尾野真千子さんが歩きながら会話を交わす場面が撮影された。周囲に映る人たちは皆、スタッフが手配したエキストラだ。通行人を演じた井部孝久さん(52)=同市若宮町=は「撮影現場は楽しい。自分が少しでも映っているとうれしくなる」と声を弾ませた。

 全編を群馬県で撮影した本作は、同市と中之条町のロケ地がともに10カ所で最多。撮影に協力した前橋フィルムコミッション(FC)は先月18日、ユナイテッド・シネマ前橋で撮影風景の写真展示を始めた。同FCの加古聡さん(58)は「作品はもちろん、市内にさまざまなロケ地があることを伝えたい」と話す。

 地方ロケには、FCや自治体の協力が欠かせない。候補地の情報提供をはじめ、撮影許可の申請協力、「ロケ弁」の案内など、東京都内から遠征してきた撮影隊にとって、地域情報を生かした支援は何より心強い。

■理想的な形
 本作の製作委員会に参画する伊参スタジオ映画祭が事務局を置く中之条町は、町内の伊参スタジオをスタッフの宿泊所として提供した。火事の撮影では、地元有志でつくる「影踏み応援隊」が消防署に協力を依頼して延焼に備えたほか、手作りカレーを振る舞って現場を盛り上げた。

 松岡周作プロデューサーは「撮影した家や商店の所有者との顔つなぎ、細かな雑用を引き受けてくれたおかげでスムーズに進行できた」と感謝する。

 市民が自らの足で探した候補地が撮影で使われたケースもある。五十嵐均さん(70)=伊勢崎市三和町=が代表を務める「いせさきフィルムコミッション応援団」は、文具店など3カ所の情報提供に協力。実際に撮影された場所は市が広報紙で紹介するなど連携を図った。五十嵐さんは「『影踏み』のおかげで市との関係が深まり、徐々に理想的な形になってきた」とほほ笑む。

 2014年の設立以来、「地域の役に立ちたい」との一心で活動してきたが、団員不足や世代交代といった課題が残る。だからこそ「影踏み」は活動を広く知ってもらう好機。「良い作品なら、ファンがロケ地を巡ってくれる。ヒットして、海外の賞レースでも勝ってほしい。夢みたいな話かな」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事