下仁田のビリヤード場跡が映画の舞台に 短編映画が都内で上映
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下仁田町のビリヤード場で撮影に臨む田口さん(中央)=11月9日

 群馬県下仁田町の中心街で、戦前から営業していたとされるビリヤード場跡地を舞台に撮影した短編映画「たまつきの夢」の公開が3日、都内の映画館で始まった。ビリヤード場はレトロな街並みの象徴的な存在で、外観を見に訪れる観光客が多いが、老朽化が進み、取り壊しも検討されている。関係者は「映画がビリヤード場を残すきっかけになってほしい」と期待する。

◎戦前から残る建物 当時の面影そのままに
 映画は太平洋戦争前のビリヤード場で繰り広げられる男女の恋愛物語で、監督、脚本は田口敬太さん(33)=東京都杉並区。撮影場所を探していた田口さんはインターネットの画像を見て同町のビリヤード場の雰囲気に引き込まれた。4月に現場を確認し、「セットでは出せない空気がある」と一目ぼれ。柱を入れ、建物のゆがみを直すなどして、先月撮影した。

 ビリヤード場は建物を所有する北村浩二さん(66)=東京都武蔵野市=の父、充夫さん(故人)が営んでいたが、45年ほど前に店を閉じた。充夫さんが住まなくなって30年以上空き家となっていた。2階建てで、当時は1階をビリヤード場、2階を住居として使っていた。石灰関連の会社員やこんにゃく問屋の関係者などが集まり、深夜までにぎやかだったという。

 現在は雨漏りし、床が抜け落ちそうな場所もあるなど、傷みが激しい。北村さんは10年ほど前から取り壊しを考えている。「古くて周辺に迷惑がかかるし、崩れたら大変。ただ、ここがなくなると通りが寂しくなるかもしれない。活用してくれる人が見つかるといい」と話す。田口さんは「古くなったから壊す、だけではないはず。たくさんの人に建物の存在を知ってほしい」と力を込める。

 「たまつきの夢」は映画監督とミュージシャンが組んで製作する映画祭「ムージック・ラボ」の出品作。19日まで、東京・新宿のケイズシネマとアップリンク吉祥寺で計5回上映する。今後、長編映画への編集や県内上映も検討している。

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