終戦前日に日本人1000人犠牲 満州の惨劇「葛根廟事件」真相追う
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
慰霊の旅で事件があった葛根廟付近を訪れた生存者=映画「葛根廟事件の証言」より

 終戦前日の1945年8月14日、旧満州で1000人以上の日本人が死亡した事件の真相を追ったドキュメンタリー映画「葛根廟かっこんびょう事件の証言」が21日から、都内の池袋シネマ・ロサで上映される。監督を務めた群馬県高崎市出身の映像ディレクター、田上龍一さん(45)=東京都足立区=は「一人でも多くの人に事件のことを知ってほしい」と話している。

 事件は旧満州(中国東北部)から引き揚げ避難中の日本人の一団が、ラマ教寺院葛根廟(内モンゴル自治区)付近で旧ソ連軍の襲撃に遭い、女性や子どもを中心に1000人以上が死亡したもの。多くの犠牲者が出たが報道される機会は少なく、あまり知られていないという。

 映画は生存者ら12人の証言を基に事件をたどり、それぞれの人生に与えた影響を描いている。多角的な視点で作り上げた映像が高く評価され、「福岡インディペンデント映画祭2018」のドキュメンタリー部門で最優秀作品賞を受賞するなど数々の映画祭で入賞。作品に写真や図を加え、劇場公開に至った。

 田上さんは取材を進める中で、生存者が生き残ったことに申し訳ない気持ちを抱えていることが印象に残ったという。「戦争でこれだけ悲惨なことが起きるということを感じ取ってほしい」と力を込めた。

 上映は27日まで。21、22日の上映後、田上さんが舞台あいさつを行う。問い合わせは池袋シネマ・ロサ(電話03-3986-3713)へ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事