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新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、JR東日本高崎支社は19日、大型観光企画「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」の開幕式典(4月4日)を中止すると発表した。群馬県内各地でDC期間中(4~6月)の関連イベントの中止が相次いでおり、県内観光の盛り上げを期待されたDCに感染症が影を落としている。
◎SL走行や物産展など
蒸気機関車(SL)を2両連結して走らせる「群馬DCオープニング号」など特別列車を運行させる一方で、高崎駅で行う予定だった出発式やテープカットを取りやめる。JRや自治体、観光関係者らでつくるググっとぐんま観光宣伝推進協議会も、駅東口ペデストリアンデッキで予定していた物産展や観光PRイベントの中止を決めた。
各地の催しでは、4月29日に館林市のつつじが岡公園で予定されていた「つつじまつり100人花見茶会」や同5日の玉村町の「商工会春まつり」などが中止。沼田市や東吾妻町などの真田氏ゆかりの3城跡を巡る無料特別バスは同12日の運行が取りやめとなった。同25日に予定される沼田市の玉原高原での星空観察会も開催を見合わせる方向で検討されている。
◎「終息後に足を」「方針出ないと」… 肩透かしに関係者落胆
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大型観光企画「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」の開幕イベントの中止が発表された19日、DCを機に県内外から誘客しようと取り組んできた関係者は肩を落とした。期間中に各地で企画されたイベントの中止も相次ぐ。感染予防の外出自粛で既に予約キャンセルに悩まされている宿泊事業者は「終息後に足を運んでもらえるように」とDCを通じた魅力発信に望みをつないだ。
「多くのイベントが中止となり、とても残念」。館林市つつじのまち観光課の担当者は残念がる。つつじが岡公園(同市)で4月29日に予定した100人花見茶会を中止した。ツツジが咲く園内でお茶や特製花見弁当を楽しんでもらうはずだったが取りやめ、25日からの「こいのぼりの里まつり」も規模を縮小する。
真田氏ゆかりの3城跡を巡る無料の特別バスは4月12日の運行を中止。5月3、24の両日は運行する予定だが、沼田市観光協会は「何とか開催したいが、状況次第」と気をもむ。
「DCのCMを見て予約をしてくれた人もキャンセルになっている」と話すのは太田市内のホテルの営業部長。例年春は多くの観光客が訪れるが、今年3~4月の予約は約8割がキャンセルになった。市内で感染者が出ているため当分は厳しい状況が続きそうだが、「自粛ムードが収まったときに足を運んでもらえるようしっかりPRしてほしい」とDCでの情報発信に期待をかける。
政府や県による大規模なイベントの自粛要請がいつまで続くのか戸惑う声も多い。4月25日から開く「花と緑のぐんまづくり2020 in 藤岡」の準備を進める藤岡市の担当者は「県の方針次第では縮小や中止もあり得るが、方針が出ないと現場は動けない」と嘆く。沼田市の老神温泉周辺ではダム見学ツアーなどが企画されているが、実施は不透明。同温泉観光協会は「チラシを作るなど準備だけはし、実施できるよう祈っている」と話した。
DC期間中に予定するインターネットを使った広告宣伝や、企業とタイアップした商品の発売などは計画通り行われる。県DC推進室は「イベントの中止は非常に残念」としながら、「自粛ムードが一段落した時に選んでもらえるよう、しっかりと群馬をアピールしていく」と前を向いた。