3密気にせず本選び 前橋で予約制の「貸し切り本屋」人気
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「貸し切り本屋」を利用し、作品選びや読書を楽しむ家族連れ

 新型コロナウイルスの影響でさまざまな業種が感染予防の対策に追われる中、前橋市敷島町の書店「フリッツ・アートセンター」が取り組む予約制の「貸し切り本屋」が話題となっている。安心して本に親しんでもらおうと1カ月ほど前に始め、家族連れや常連客の利用が相次いでいる。

◎1組1時間の利用 地域の本屋の在り方探る
 貸し切りは1組当たり1時間で、入れ替えごとに消毒や換気を行っている。絵本や書籍、CDを手に取って楽しめるほか、店内で開催中の展覧会も鑑賞できる。

 絵本好きという太田市の小学校職員、中村ゆかさん(46)は今月下旬、夫と小学4年生の娘と共に同センターを訪れた。豊富な絵本や書籍の品ぞろえに胸を弾ませながら見て回ると、「ずっと自宅にこもりきりでストレスがたまっていた。落ち着いた気持ちで作品を見られる場所があって良かった」とほほ笑んだ。

 新型コロナの感染拡大を受け、同センター代表の小見純一さん(61)が運営の在り方を見直し、貸し切りにすることを思い立った。4月15日の開始から徐々に予約が増え、週末を中心に利用が10組以上になることも。時間の調整がつかず、やむなく断るケースもあるが、小見さんは「深呼吸をするように、ゆっくり過ごしてほしい」としている。

 接触を控えたい人のために、もともと行っていた配達業務も本格化させた。書籍や絵本、雑誌の注文のほか、家族などへのプレゼント用の選書も受け付けており、市内を中心に県内の配達に対応している。

 小学校の再開に合わせて6月1日から通常営業を再開する予定だが、要望に応じて貸し切りの時間を設けるという。小見さんは、今回の取り組みによって「本を通して人とのつながりを持つ、本来の地域の本屋としての在り方を具現化できた」と感じており、「来てくれた人が優しい絵や言葉に触れ、自分らしい生活を見つけるきっかけになるといい」と望んでいる。

 火曜定休。当面は午前11時~午後6時の短縮営業。高崎市のはらだよしこさんの絵本「はりねずみくんのねがいごと」の原画展を7月5日まで開催している。

 問い合わせは同センター(電話027-235-8989)へ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事